2022年6月10日【Hansen溶解度パラメータ(HSP) 解析】Nanomaterials誌に論文アクセプト

S. Saita, S. Takeda*, H. Kawasaki*
Hansen Solubility Parameter Analysis on Dispersion of Oleylamine-Capped Silver Nanoinks and their Sintered Film Morphology, Nanomaterials, 12, 2004(2022)

プリンテッドエレクトロニクスは、 導電性インク の印刷によって作製された電子回路やデバイスのことであり、IoTセンサーや、ウェアラブルデバイスなどへの応用が期待されています。導電性金属ナノインクは,ナノ粒子の融点降下による低温焼結が可能であることから,柔軟や紙やフィルムを基材とする プリンテッドエレクトロニクス に利用されています。しかし、金属ナノインクの調製は,金属ナノ粒子の保護剤と溶媒との組み合わせが多種多様であるため経験的に選定されることが多くなっています。この課題に対し、本研究では、 Hansen溶解度パラメータ(HSP) 解析により、高分散性と良好な導電膜を与える金属ナノインクを調製するための、「 ナノ粒子の保護剤とインク溶媒の適切な組み合わせ」を予測できることを示しました。 HSP解析は、金属ナノインク調製を、経験に頼るのではなく予測する方法論として有効であることから、製造プロセスの省コスト化や製品の性能向上に繋がると期待されます。本研究は、武田コロイドテクノ・コンサルティング株式会社 武田 真一氏との共同研究の成果です。