Research

本研究室では、コロイド・界面化学をベースにして、表面・界面を制御したナノ材料・ナノ粒子を合成し、材料をナノサイズにすることで現れる新たな機能(光機能、触媒、電気伝導特性)を創出する研究を行っています。「エレクトロニクス」、「ヘルスケア」、「環境・エネルギー」の3つの重点領域への、ナノ材料・ナノ粒子の応用展開を目指しています。対象とするナノ素材は、金属、酸化物、炭素、およびこれらの複合材料と多岐にわたります。

我々の研究室では、”合成、分析・機能評価、応用まで自分自身で行う“、研究遂行プロセスを通じて、下記の資質を持つ人材育成を目指しています。

a) 前例にとらわれず、柔軟な発想ができる
b) 自ら考え、積極的に行動できる
c) 新しい研究テーマに挑戦できる
d) 伝える力、プレゼンテーション能力
e) チームで研究を遂行する力

*界面化学研究室(2017年発足)は、機器分析化学研究室(関大名誉教授 荒川 隆一教授)を前身とする研究室です。

(1) 金属ナノクラスターの合成と新機能創出 [ヘルスケア、環境・エネルギー]

数個から 10 数個程度の原子で構成される金属ナノクラスター(1-2nm)はバルク金属とは異なるユニークな性質を示すことから、材料化学、生化学、医化学などの分野における新規素材として興味深い物質です。当グループでは, 金属ナノクラスターの基本的性質の理解と応用利用に向けて、金属ナノクラスターの合成、機能化とその応用に関する研究を行っています。

<サブテーマ>
a)生体分子保護金ナノクラスターの合成と蛍光分析法への応用
b)金/銀ナノクラスターの光増感作用と光殺菌治療法への応用
c)銀ナノクラスターの合成と抗菌特性
d)金属ナノクラスター・ナノ粒子の触媒応用

(2) 銅ナノ粒子・微粒子の合成と電子部品部材への応用 [エレクトロニクス]

印刷技術を使って電子部品やデバイスを製造するプリンタブルエレクトロニクス(PE)は,電子デバイスの製造分野において革新的な技術といえ、IoT社会実現に向けた重要なニューテクノロジーとして期待されています。当グループでは, 150℃以下の低温焼成で高分子フィルムや紙基材の上に10-5Ωcmオーダーの高い導電性銅膜や配線を形成できるPE用途向けの低温焼成型の銅ペーストの研究を行っています。

<サブテーマ>
a) 銅ナノ粒子ベースの低温焼成型銅ペースト(高分子フィルム基材用)
b) 銅塩ベースの低温焼成型銅ペースト(紙・布基材用)

(3)炭素量子ドットの合成と光機能創出 [エレクトロニクス]

量子ドットとは、直径が2nm~10nmの三次元電子閉じ込め構造を持つナノ粒子のことであり、粒子サイズや表面構造(表面欠陥)に依存する、発光波長(色)や光触媒特性を示す、ユニークなナノ材料です。本研究室では、植物バイオマスを原料とした炭素量子ドットの合成法の開発とその光機能創出に関する研究をおこなっています。

<サブテーマ>
バイオマスを原料とした炭素量子ドット

(4) 機能性ナノ粒子を用いたレーザー脱離イオン化質量分析(SALDI-MS)[環境・医療]

無機ナノ粒子やナノ構造表面を有する基板を脱離イオン化支援剤に用いた“表面支援レーザー脱離イオン化質量分析法(SALDI-MS)”は,MALDI法に比べてマトリックス由来のノイズの少ない良好なスペクトルが得られる特徴を活かし,医薬,農薬,環境汚染物質の微量分析に有効であり,これら低分子化合物分析への応用が期待されています。当グループでは,SALDI-MSのための機能性ナノ粒子の開発を行っています。

<サブテーマ>
a)金属・酸化物・磁性ナノ粒子を用いたSALDI-MS
b)イメージグ質量分析用のナノ粒子