光をあてることで殺菌効果をもつ活性酸素（一重項酸素）を生み出す有機光増感剤（メチレンブルー）を、シリカと複合させた粒子を開発しました．光照射で活性酸素を生成するメチレンブルーは医薬品としても用いられています．しかし，メチレンブルーは溶液中で容易に会合し，活性酸素生成能が著しく低下することが課題となっています．
本研究では，メチレンブルーを多孔質構造を有するシリカナノ粒子凝集体に複合化することで，メチレンブルーの会合を抑制し，更にメチレンブルー単独よりも，高い活性酸素（一重項酸素）生性能を示すことを見出しました．今後は，この複合体を新たな歯周病の光殺菌治療法の研究開発へと応用展開する予定です．
- S. Saita,M. Anzai, B. Mori, and H. Kawasaki*
Controlled Aggregation of Methylene Blue in Silica–Methylene Blue Nanocomposite for Enhanced 1O2 Generation
Colloids and Surfaces A: Physicochemical and Engineering Aspects (2021) https://doi.org/10.1016/j.colsurfa.2021.126360