《新着図書》平田陽一郎『隋唐帝国形成期における軍事と外交』(汲古書院、2021年1月、593頁)

 著者の平田陽一郎さんから献本いただきました。ありがとうございます!昨年の林美希さんの唐前半期の北衙禁軍の研究に続き、北朝隋唐時期の軍事史・政治外交史の大作がまとめられました。

 近年、唐代史の説明で普通に使われてきた均田制、租庸調制、羈縻州などの語句を、そのまま使う、あるいはその用語をもって唐代史を理解することに対し疑義が出され始めている。それは、当時の唐代の実態に即してみると不適当であったり、その言葉そのものが、その制度崩壊後に出現したものであったりするからである。著者の平田さんも「府兵制」概念に疑義を提出した研究者であり(本書第Ⅲ部参照)、その成果もふくめた諸論考が収められている。