タンパク質の外殻と遺伝情報を担う核酸 (主に二本鎖DNA) からなるバクテリオファージをマイクロ波処理することにより、蛍光性ファージナノ粒子を合成できることを見出しました。ファージナノ粒子の蛍光強度が低濃度の3価Feイオンの存在下で変化することを見出し、この特性を利用したFeイオンの蛍光センシング法を提案しました。今後、バクテリオファージの特性を利用したセンシング材料への発展が期待されます。
本研究は、バクテリオファージのご研究をされているUniversiti Sains Malaysia(マレーシア科学大学)Theam Soon Lim先生との共同研究成果です。
- J. Yi Lai, N. Inoue, H. Kawasaki*, and T. Soon Lim*
One-step Synthesis of M13 Phage-based Nanoparticles and Their Fluorescent Properties
RSC Adv., 11, 1367-1375 (2021).