論文公開:無人航空機を用いた津波避難開始行動調査手法の提案

2018年11月1日論文が公開されました.

論文(査読有) 土肥裕史,奥村与志弘,上大迫弘隆,清野純史,無人航空機を用いた津波避難開始行動調査手法の提案,土木学会論文集A1(構造・地震工学),Vol.74No.4(地震工学論文集第37巻),pp.I_906-I_916doi:https://doi.org/10.2208/jscejseee.74.I_9062018.

要旨

東日本大震災では避難開始の難しさが浮き彫りとなった.避難開始に至るプロセスを理解するための調査手法を提案することが本研究の目的である.本研究では南あわじ市阿万中西地区における津波避難訓練で無人航空機を用いて空撮を行い,映像に映る人々の行動を時空間的に分析することを通じて,津波避難開始行動調査手法を提案する.本手法は訓練当日までに飛行許可を得たうえで,事前に対象地域で飛行させ,撮影位置やバッテリー交換のタイミングを決定する必要がある.従来の調査手法と比較して,映像に映るすべての時空間データを入手でき,個人の記憶に依存しない客観的なデータを得られる点に有用性がある.さらに,住民の行動を時空間的に把握できるとともに,避難開始について個人と集団,周囲の状況と関連付けた分析が可能であることがわかった.