論文公開:杭基礎建物の被災状況を踏まえた2011年東北地震津波による女川町の地盤応答特性の推定

2018年11月1日論文が公開されました.

論文(査読有) 佐藤祐子,奥村与志弘,米山望,渡辺健,清野純史,杭基礎建物の被災状況を踏まえた2011年東北地震津波による女川町の地盤応答特性の推定,土木学会論文集A1(構造・地震工学),Vol.74No.4(地震工学論文集第37巻),pp.I_777-I_787doi:https://doi.org/10.2208/jscejseee.74.I_7772018.

要旨

2011年東北地方太平洋沖地震に伴う巨大津波は,宮城県女川町の杭基礎鉄筋コンクリート造建物を流出させた.現地は,軟弱な埋立地盤の上に堅牢な建物が複数建っており,建物が流出したメカニズムを検討するためには,建物の間を氾濫する津波の複雑な挙動と,地震動と津波による地盤応答を考慮する必要がある.本研究では,津波氾濫解析と建物構造解析を用いて,対象建物が流出するタイミングの地盤状態を推定した.その結果,地震によって地盤が液状化した場合に対象建物の流出を説明でき,さらに,液状化した地盤の表層部分の剛性が津波によって増大した場合に建物の杭の損傷状況まで説明できることがわかった.