研究内容

学部生の皆さんへ

当研究室のHPをご覧いただきありがとうございます.
ところで,皆さんのほとんどは,生産加工システム研究室は加工学に関する研究をしているところ,と思っていませんか?確かに,講義では切削理論や工作実習など加工学に関する科目が多いですが,我々の研究室の対象としている分野は,生産技術,特にその中の加工技術になります.生産(製造)技術はご存知ですよね?製造業にとっては,製品の設計・開発と並んで重要な技術部門であり,多くの機械技術者が携わっています.最も,製造業へ就職を希望する学生は,設計・開発志望が多いようですが・・・.
言わずもがなですが,実際の生産現場では,如何に低コスト・高効率で品質の良いモノを造るかが最優先課題となります.近年では,AV機器やIT機器の高機能化・小型化に伴い,新たな超精密微細加工技術が望まれており,加工学はそれを実現するための一つの手段としての学問でしかありません.当研究室の目的は,革新的な生産技術を開発することなので,その目的を達成するのに必要であれば,どのような分野の学問でも取り込んでいく・・・つまり,“専門(手段)ありき”ではなく“目的ありき”の研究スタイルをとっているということです.ですから,扱う学問も,加工学は中心になりますが,フラクタルやカオス等の非線形科学やニューラルネットワークやGAに代表されるメタヒューリスティクスアルゴリズム,あるいは組立に絡んでのロボティクス・メカトロニクス,最近では,分子動力学や化学反応論まで多岐にわたります.
確かに研究テーマは地味なものが多いですが,オリジナル性は高いと自負しています.興味を持たれた方は,一言メンバーに伝えていただければ,いつでも研究室を見学することができますので,お気軽にお越し下さい.

 

専門分野

機械加工,特に精密加工に関する研究を行っており,切削加工とともに研削,研磨についても扱ってきました.
近年は,単結晶ダイヤモンド工具を用いた超精密切削およびメカノケミカル複合超砥粒砥石を用いた超仕上げに関する研究テーマが多いです.
また,2008年からはダイヤモンド工具の摩耗を抑制する鋼材の表面改質に関する研究,2012年からは,超音波振動を利用した微粒子励振型流量制御弁に関する研究も開始され,システム開発型の研究テーマと分析型の研究テーマを平行して取り扱っています.

 

ダイヤモンド工具関連

  1. ダイヤモンド切削工具の損耗に及ぼす窒素不純物の影響
  2. 銅との熱化学作用に基づくダイヤモンド工具の研磨
  3. 無電解Ni-Pのダイヤモンド切削における工具寿命診断
  4. ダイヤモンド切削工具損耗に対する分子動力学解析

 

超微細砥粒砥石関連

  1. ビトリファイド超仕上げ砥石の作用面トポグラフィの形状モデリング
  2. メカノケミカル複合砥粒砥石に関する研究

 

Siマイクロマシニング関連

  1. マイクロ加工機械の開発に関する研究
  2. Taコーティングしたマイクロ多刃工具によるガラスの微小切削

 

圧電素子の振動を利用した空気流量制御弁

 

その他

  1. 平面用フレキシブル治具の開発
  2. 被組立側に弾性機能を有するPeg-in-hole作業
  3. 真空中における銅の絶縁破壊特性に及ぼす加工雰囲気の影響