ダイヤモンドのクラック伸展に対する分子動力学解析

研究背景

超精密切削加工に用いられる単結晶ダイヤモンド切削工具が原石により寿命が異なる

ダイヤモンド結晶中の小板状窒素不純物(以下プレートレット)が耐摩耗性及び耐ピッチング性に影響している

クラック伸展及び強度に影響している

 

研究目的

仮設

プレートレットは先在クラックの伸展に影響を及ぼし,強度(耐ピッチング性)を左右する.

分子動力学シミュレーションにより,証明する.

プレートレット量の異なるダイヤモンド構造モデルで引張破壊シミュレーションを行う.

 

評価方法

  • 破壊に要するひずみエネルギの比較
  • 破壊時のエネルギ変化及びクラック伸展の比較

 

分子動力学法

原子ひとつひとつに古典的なニュートンの運動方程式を適応,順次数値的に解くことですべての原子の運動方程式を解析する手法

 

解析方法

解析モデル

 

解析手順

(1) 全方向周期境界条件による緩和計算
(2)[001]方向の上下0.2mm 以内の原子を拘束,[010]方向のみを周期境界条件による緩和計算
(3) 拘束原子をひずみ速度1.25×1010s-1 で引張計算
(4)(2)の条件で緩和計算
(5) 拘束原子をひずみ速度5.0×109s-1で破壊が起こるまで引張計算

 

解析結果

 

今後の方針

周期境界条件によりクラック伸展が影響しない新たなモデルで,解析を行う.
プレートレット量の異なるダイヤモンド切削工具により Ni-P の切削を行う.