2025年1月2日[GO無電解銅メッキ] Langmuir誌(アメリカ化学会)に論文アクセプト

A. Nakasuji, S. Gohda and H. Kawasaki*
Graphene-Oxide-Assisted Electroless Cu Plating on a Glass Substrate
Langmuir, accepted (2025).https://doi.org/10.1021/acs.langmuir.4c03985

 5Gや将来の6G通信技術が進展する中、信号損失を抑え、ノイズを低減する基板の需要が高まっています。 ガラス基板は低誘電率と高い表面平滑性を持つため、これらの用途に適していますが、従来の無電解銅めっき法では、ガラスの滑らかな表面に銅膜を強固に密着させることが困難でした。
本研究では、酸化グラフェン(GO)を中間層として用い、アミノ基で修飾したガラス基板とGOとの間に共有結合を形成することで、接着性を大幅に向上させる新しい無電解銅めっき法を開発しました。この方法では表面を荒らす従来の工程を省き、表面平滑性を保ちながら高品質な銅膜を形成できます。さらに、触媒として銀ナノ粒子を採用することで、従来の高価なパラジウム触媒に代わるコスト効率の高いプロセスを実現しました。この技術で得られた銅膜は、優れた密着性と低抵抗率を示し、高周波通信機器や電子デバイスに最適です。この新技術は、次世代の通信基板の製造における課題を解決し、コスト削減や環境負荷低減、関連産業の競争力向上など、幅広い波及効果が期待されます。