ゼミ生活を振り返って(5期生北田)

執筆者:北田 朱里(4回生)

2年前の春,ゼミの同期に知り合いはおらず,優秀な同期や先輩に圧倒される日々でした.しかし,卒業した今振り返ると,先生,同期,先輩,後輩に恵まれ,様々なことに挑戦し,成長することができた,そんな2年間になりました!

同期とは,過去の災害分析や卒業研究だけでなく,就職活動や課外活動,プライベートでの遊びまでたくさんの時間を共に過ごすことができました.とても楽しい2年間で,私にとってはそのすべてが財産です.今回は,特に印象に残っている専門演習中間発表会とラジオ番組制作活動について振り返ります!

専門演習中間発表会 〜密かに考えていたこと〜

このイベントについては1年前にもブログ記事を書きました.しかし,実はそこには書けていなかった「当時,密かに考えていたこと」があります.今回はそのことを書き残しておきたいと思います.当時の記事はこちら

専門演習中間発表会とは大学3年の11月にゼミの代表者がそれぞれ研究やゼミ活動の途中経過を発表する学部イベントです.私は奥村ゼミの代表を務めました.代表に決まってから発表までの1ヶ月間は,代表になった私の研究テーマを題材にして,ゼミを挙げて研究を進めました.限られた短い期間で,仲間とともに予測のつかない結果を出すという課題に取り組むのは初めてでした.

私にとって驚きだったのは,仲間の多くが自分の卒業研究のテーマではないのに,内容を理解し,自分ごととして考え,自ら動いてくれたことです.チームで何かに取り込んだ経験はこれまでにも何度かありましたが,こんなに進めやすいと感じたことはありませんでした.本当にゼミの仲間にたくさん助けられましたし,みんなの姿勢に感銘を受けました.みんなが目的を理解し,状況認識の統一を図りながら,密にコミュニケーションをとってくれたおかげだと思います.

このとき私が密かに考えていたことはゼミ生同士の親密度を上げることです.私はどんな活動もメンバーが楽しく参加する方が良い結果が得られると考えています.なので,あまり喋らない同期同士でのグループワークやペアワークを設定し,取り組んでもらうという作戦を考え,それを実行しました.

今思えば本当に余計なお世話だったかもしれません.喋り慣れていない者同士とのワークなんてあまり乗り気しないものだったかもしれません.みんなの優しさに甘えて,ワガママもたくさん聞いてもらいました笑.やりづらかった人がいたらごめんね・・・ですが,たくさんの素晴らしいグラフや考察結果を持ってきてくれました.発表会当日は発表20分前というギリギリまで全員で研究内容を練って,発表スライドをブラッシュアップしたりしました.

普通じゃあり得ないほど大変なことに付き合ってもらったのに,発表会の後,楽しかったと声を掛けてくれました.卒業した今でも中間発表会がきっかけで互いに仲良くなれたと言ってくれます.人格面においてももスキル面においても優秀な同期に恵まれました.それは本当に嬉しい経験になりました.中間発表以外にもたくさん助けてもらいました.感謝してもしきれません.みんなありがとう!!!

ラジオ番組制作活動 〜「新しい発想」と「理想と現実の乖離」〜

4年生の夏からは研究とは別にラジオ番組の制作にも携わりました.FM大阪の「ぼうさいテラス」という番組で,これは「うめだ南トラ(南海トラフ)研究会」というプロジェクトの一環になっていました.番組では,私を含む現役関大生が防災イノベーションのヒントを探るための調査分析を行い,その成果を月に1回のペースで発信していました.この活動でも大きな学びがありました.「新しい発想」と「理想と現実の乖離」という2つの視点から学びの一端を書き残しておきたいと思います.ラジオ番組のホームページはこちら

まずは「新しい発想」という視点から.商学部などの他学部の学生と連携し,マーケティングの視点を取り入れ,防災サービスの現状を分析し,今後のあり方を検討しました.他学部の学生とそれぞれの知識を共有し,理解し合い,新しい解を導き出す難しさはありましたが,その分,多くの気づきや発見がありました.考え方も大きく変わりました.具体的には,生活者を5段階に細分化し,それぞれの生活者に合ったアプローチを検討することで,これまで以上に多くの生活者に多くの防災サービスを届けることができると考えるようになりました.ラジオの台本作りではリスナーさんにわかりやすく届けられるように噛み砕いた言葉選びが求められました.これにも苦戦しました.何度も先生や学生たちのフィードバックをもらい作成しました.学び続ける姿勢の大切さを認識し,何度も試行錯誤してベストを尽くす行動力が身についた活動になったと思います.

次に「理想と現実の乖離」という視点から.私にとって人生を変えるような大きく気づきがありました.大学で学んできた理想社会と民間企業が抱える現実の課題とのギャップです.同じ状況を見ているのに専門家と民間企業とで理想や課題の捉え方が違う場面も見られました.私にとっては衝撃でした.専門家と民間企業が意見を交わし新しい気づきを増やす場がこれからもずっと必要だと思いました.また,学生のうちに社会のリアルな課題に触れることの重要性を実感しました.このような活動に参加していなければ,一見防災と無縁に見える私が選んだ職場で防災の視点を持って働くことの大切さに気づいていなかったかもしれません.いつかは防災においても他の課題においてもこの学部で学んだ「総合的な視点で課題を見つめ,人や機関と連携して新しい価値を作る」そんな仕事がしたいです.

大学で学んだ知識がまだ鮮明な学生のうちにこの活動に参加することができて,番組企画では学部での学びをアウトプットする機会として楽しめました.また,研究会ではこれからの方針を見つけることができました.活動の最中,奥村ゼミの同期や後輩を見ると,すでに社会活動を行い,たくさんの気づきを得ている学生がいて,ここでもたくさん声をいただくことができました.どの声もとても勉強になりました.もし,そのような活動に参加したことがない方がいたら,なんでもいいので学生のうちに社会の一部を見る機会をもつことをおすすめしたいです.きっとこの先ワクワクするような気づきに出会えると思います.このような活動に誘っていただいた奥村先生,研究会関係者の皆様,活動を共にした同期・後輩に心から感謝いたします.

さいごに

ここまで私のゼミ感想文を読んでいただきありがとうございました.今回は,私から先生にブログ記事を執筆させて欲しいとお願いしました.理由は,今の感覚を言語化しておきたいという思いと,2年前に助けていただいた先輩方と同じことをしたかったという思いがあったからです.私が奥村ゼミの学生ブログ記事の存在に気づいたのはゼミに入る直前でした.一人で入るゼミがどんな場所でどのように振る舞えばいいかわからなかった私に先輩たちの奥村ゼミの様子を紹介してくれているブログ記事は救いでした.こんな駄文は救いにならないと思いますが少しでも大学生活を楽しむ糧になってくれれば幸いです.

2年間,奥村ゼミで過ごせて最高の学生生活を送ることができました.支えてくださった奥村先生,友人,家族,先輩,後輩のみんな,ありがとうございました.ここで学んだことを活かしてこれからも精進してまいります.

ゼミ室の前で同期と共に
奥村先生と記念撮影