論文公開:訓練時の行動データを用いた避難開始行動の分析

2018年11月10日論文が公開されました.

論文(査読有) 土肥裕史,奥村与志弘,訓練時の行動データを用いた避難開始行動の分析,土木学会論文集B2(海岸工学),Vol.74No.2, I_415-I_420doi:https://doi.org/10.2208/kaigan.74.I_415, 2018

要旨

迅速な津波避難の実現に向けて,住民がいつ,どこで,どのように避難開始行動をとるのか,その特徴の理解は極めて重要である.本研究の目的は,津波避難訓練で得られる住民の行動データを用いて,避難開始行動の特徴を理解することである.著者らは南あわじ市阿万中西地区で実施された避難訓練で無人航空機を用いた空撮,地上での動画撮影を行い,訓練時の行動データ2年分を収集し,避難開始行動の分析を行った.その結果,訓練時の避難開始行動プロセスは行動開始(阻害要因を取り除けば今すぐにでも高台への移動を開始すること)および避難開始(高台への移動を開始すること)に分類され,前者は論理的判断と直感的判断に整理でき,後者は阻害要因による影響の有無で整理できることが分かった.実際の津波災害と比較すると,部分的な違いはあるが,全体構造は似ていることが分かった.