こんにちは.奥村ゼミ3回生の保田です.
先日,阪神・淡路大震災から30年の節目を迎えた神戸で,研究発表をさせていただきました!
発表の場は「災害メモリアルアクションKOBE」という震災メモリアル行事で,この行事では,阪神・淡路大震災のつらい経験を二度と繰り返したくないという強い思いから,学んだことを次に活かすことができる形でつないでいくことを目指しています.
当日は,中学生から大学生まで,さまざまな学校や団体が活動内容を発表していました.私は同期のゼミ生と一緒に取り組んでいる「災害関連死」に関する研究を紹介しました.会場は,大きなスクリーンを備えた立派な場所で,阪神・淡路大震災から30年という節目にふさわしい場所だなと感じました.このような場で発表できたことに感謝しています.
閉会の挨拶で,人と防災未来センター長の河田先生(関西大学社会安全学部の先生でもあります!)が「災害関連死」に言及してくださいました.改めてこの課題の重要性を認識するとともに,自分たちの研究が社会に役立つ可能性を感じ,さらに研究を進めていこうという意欲が沸きました.
他の発表も大変勉強になりました.特に印象に残ったのは,ある高校の新聞部の方々が行った「災害の記憶と風化」に関する発表です.彼らは「災害を風化させるのは本当に悪いことなのか?」という問いを投げかけていました.
発表では,「風化を防がなければならない」という考えが,場合によっては被災者に苦痛を与える可能性があるという問題提起や,風化が進んでも被害を防ぐことができるような技術革新にも目をむけるべきといった考え方が示されました.
その後のパネルディスカッションでも,ある先生が「風化そのものを否定するのではなく,それが新しい価値や伝承の形を生む可能性があり,そういった側面にも注目すべき.時代にあった方法で伝承の輪を広げていくことが,これからの災害伝承の形ではないか」と述べられていました.これらの話は,「風化=悪」という固定観念を持っていた私に新しい視点を与えてくれました.
阪神・淡路大震災から30年が経過し,時代に合わせた新しい伝え方を模索しながら,震災の記憶を大切にしていくことの重要性を改めて感じました.阪神・淡路大震災の記憶を大切に,この震災から学び続けていきたいです.そして,引き続き,災害関連死に関する研究を深めていきたいと思います.
