自然災害学会第40回学術講演会で研究発表を行いました。

執筆者:石田晴香(奥村ゼミ修士1回生)

この度、9月11日から12日にかけて開催された自然災害学会第40回学術講演会で研究発表を行い、発表優秀賞を受賞することができました。私が今回このような結果を得られたのは一重に指導教員である奥村先生、副指導教員である土田先生、伊藤先生のご指導があったからです。この場を借りて感謝申し上げます。

自分の研究内容を学外で発表するのは初めての経験だったので、どういう風に説明すれば初めて聞く人にもわかりやすく伝わるかという点に苦戦しました。ゼミの学生や先生に説明する時よりも分かりやすく且つ簡潔に説明しなければいけないので、全体を通して一番伝えたいことは何かということを念頭に発表資料を作成しました。

私は大学3年生の後半から交通事故対策と防災減災の比較をテーマで研究を進めています。本研究では、交通事故対策と防災・減災を比較し、双方の対策効果の類似点・相違点を明らかにするということを目的に据えています。

今回は、この目的を達成するための手段の説明を中心に発表しました。

まず、交通事故と自然災害は全くの別物であり、それぞれ様々な事象があり、それらに即した対策があります。いざ比較しようとしても何と何を比較すれば良いかわかりません。それゆえ、比較対象の選定を行う必要があります。本研究では、生物分類学的階級に倣い災害別の分類階級という図を作成し、交通事故と防災・減災から比較対象を選定できるようにしました。

次に、選定した対策をどのように比較するかを決定します。これにはハドンマトリックスを使用しました。ハドンマトリックスは、1970年にアメリカのウィリアム・ハドン・ジュニアが,公衆衛生対策を考えるときに使用していた概念的な枠組みを,交通安全の問題に適用して開発されたものです。発生前(Pre-Event)・発生中(Event)・発生後(Post Event)という時相3列と、人(Host)・傷害の作用因子(Agent)・物理的環境(Physical Environment)・社会的環境(Social Environment)という要因4行の計12個のセルで構成されています。

このマトリックスを使用することで、その対策が「いつ」「何に」対して効果を発揮しているかを可視化することができ、同じセル内の双方の対策を比較することができます。

また、このマトリックスの各セルから対策の充実度がわかるため、どの要因に対しての対策に力を注いでいるかなどが可視化されます。

準備期間は約3ヶ月という長いようで短い期間ではありましたが、隔週のゼミや2回の副指導演習で密に指導していただき、着実に課題を解消していくことができました。

今回の発表では、研究のどの部分を一番聞いてもらいたいかという点を念頭に置き発表資料を作成しました。

本研究は未だ手探りの状態なので課題は山積していますが、現時点で私が導き出した研究結果を第三者に聞いてもらうというのはとても良い経験になりました。発表終了後に聴講している先生方から質問を受け、自分の研究の課題点などが見えてきたので、今後はその課題を解消しながら研究を進めていこうと考えています。

一緒に学会発表をしたゼミ仲間と先生