大学院


大学院の概要

関西大学大学院文学研究科では、博士課程前期課程に世界史学専修(「東洋史研究」「エジプト学研究」「西洋史研究」の専修科目で構成)があり、また博士課程後期課程では史学専修の中に専修科目「東洋史」「西洋史」が置かれています。

大学院文学研究科の世界史学専修と文学部の世界史専修との間には教員構成に違いがあります。池尻陽子教授は大学院東アジア文化研究科にて「東アジアの歴史と動態」の領域を担当しています。大学院進学を希望される方は、ご自身の研究テーマにもとづいて進学先を検討してください。

大学院入試に関する情報は、関西大学大学院入試情報サイトをご覧ください。

博士課程前期課程(世界史学専修)

世界史学専修は、東洋史研究・エジプト学研究・西洋史研究から構成されています。東洋史研究では東ユーラシア史と西アジア史(イスラーム化以後)、エジプト学研究では、エジプト学および古代地中海とオリエントの歴史、西洋史研究では、西洋近現代史、史学思想史、ロシア近世史を学ぶことができます。それぞれの専修科目において、講義と演習が開講され、専任および学外の講師による多彩な講義が展開されています。

東洋史研究

東洋史研究では主に西アジア史、イスラーム世界史、7~10世紀の東ユーラシア史、東西文化交流史を研究できます。演習と講義が開講され、演習は受講者による研究発表・討論が中心になりますが、専任教員が自らの専門研究の経験に立って助言を行い、受講生の研究の深化を図ります。講義は、専任教員が担当するもののほか、学内外に求めた気鋭の兼任講師による多彩な内容が用意されており、受講者が広い視野に立った確かな研究力を身につけることができるよう配慮されています。

担任者:森部豊橋爪烈

エジプト学研究

エジプト学研究では、エジプト学を中心に古代地中海とオリエントの歴史(ギリシア、ローマ、フェニキア、メソポタミアなど)を対象としています。エジプト学の研究では、中期エジプト語、後期エジプト語の読解力を養成し、自力で文献を読めるようになること、必要に応じて英語・ドイツ語・フランス語などの文献を読んで、修士論文を仕上げることを目標とします。授業では、コプト語、ヒエラティック、ギリシア語を用いることがあります。文化財保存の研究を行うことも特色としています。エジプト学以外の専攻者は、専攻に応じた言語の文献を用いて研究することになります。

担任者:吹田浩

西洋史研究

西洋史研究では、演習における大学院生の研究発表、討論を通して、それぞれの専門分野およびその周辺領域を研究する院生の指導に当たります。上記のテーマ以外に、西洋史の各分野に関する講義を随時開講し、最新の研究成果を踏まえて、基礎から講義します。他研究科や他大学院との交流、各種学会での研究発表など、院生の活動もさかんです。

担任者:中村仁志嶋中博章森本慶太

博士課程後期課程(史学専修東洋史・西洋史)

史学専修では、日本史・東洋史・西洋史を研究対象としていますが、ここでは東洋史と西洋史について紹介します。東洋史では、東ユーラシア史、西アジア史の分野に分かれ、それぞれ演習と講義を開いています。西洋史では、古代史・近現代史を中心に研究することができます。この他の分野についても外部講師の講義が用意されています。分野・時代別の自主的な研究会活動や学内に拠点を置く史学・地理学会などの活動も盛んです。

東洋史

東洋史では、7~10世紀の東ユーラシア史、東西文化交流史、西アジア史、イスラーム世界史、トルコ民族史、オスマン朝史に関する研究ができます。中国史を含む東ユーラシア史および西アジア史の各講義を開講し、また演習においては査読制学術雑誌に投稿できる論文の作成指導をおこなっています。演習は受講者による研究発表・討論が中心になりますが、専任教員が自らの専門研究の経験に立って助言を行い、受講生の研究の深化を図ります。講義は、専任教員が担当するもののほか、学内外に求めた気鋭の兼任講師による多彩な内容が用意されており、受講者が広い視野に立った確かな研究力を身につけることができるよう配慮されています。

担任者:森部豊

西洋史

西洋史では、院生が関心をいだいている分野について、演習における院生の研究発表、討論を通して、それぞれの専門分野の指導に当たります。研究授業では、この他に、西洋史の各テーマに関する講義を準備し、最新の研究成果を踏まえて、基礎から講義します。研究会活動、他研究科や他大学院との交流、各種学会での研究発表など、院生の活動もさかんです。

担任者:吹田浩中村仁志嶋中博章

大学院での研究について

大学院での歴史研究は、一次史料にもとづく研究を行います。そのため、史料読解に必要な言語知識が研究分野に応じて必要となります。また、研究史を整理するうえでも、外国語の著作や論文を読解する必要があります。

近年、大学院への進学を希望する人の中に、大学の学部の段階で歴史学を学んだことがない人が増えてきています。学部で史料の読解方法を学ばず、また専門とする歴史分野の基本的知識が不十分な場合、大学院での研究活動は行えません。その場合、まず学部編入試験をお考え下さい。あるいは研究生となったうえで、大学院の講義や研究活動についてこられるか確認してから、あらためて進学を考えることをお勧めします。また、大学院博士課程前期課程には3年コースがあります。じっくり時間をかけて修士論文を執筆することも大切です。


論文タイトル

近年の修士論文の例(世界史学専修)

  • 沙陀突厥の勢力形成 ―とくに李克用期を中心として―
  • イスラーム以前の那天神信仰
  • ハトシェプスト研究の現状と展望 ―王権観念を中心に―
  • 7世紀アイルランドにおける『アダムナン法』 ―「女性のための法」に関する再検討―
  • 16世紀フランスの法曹界とモンテーニュ —ボルドー高等法院評定官時代を中心に—
  • 19世紀イギリスにおける動物愛護法 ―法制化の思想的・社会的側面―

近年の博士論文の例(史学専修東洋史・西洋史)

  • 書写材料としての秦漢簡牘研究
  • 古代エジプトのマアトの研究 ―「二柱のマアト」の変遷から―
  • 13世紀から14世紀前半のガスコーニュにおける現地領主の権力抗争と宗主権 ―上訴法廷・軍役奉仕・封建契約・官職就任の実例分析―
  • 近世ロシアにおける外国人 -新外国人村とその住民たち-