教員紹介


教授

池尻 陽子

Yoko Ikejiri

e-mail

yikejiri[at]kansai-u.ac.jp
※[at]は@に変更してください。

オフィスアワー

火曜2限

専門分野

清朝史/中央ユーラシア史/チベット史/モンゴル史

自己紹介

出身は九州の玄関口・小倉です。大学2年生の時、短期語学留学で訪れた北京で、清朝時代のチベット仏教寺院である雍和宮(チベット名:ガンデン・チンチャクリン)に魅了されたことが、今の私の研究テーマに繋がっています。誰もが知る中国の首都北京、その中心部に建つ雍和宮には、4種類の異なる言語(満洲語・漢語・チベット語・モンゴル語)で寺名を記した扁額が掲げられています。この寺院が建立された清という時代と、4つの言語世界を繋いだチベット仏教の存在感の大きさに惹かれたことがきっかけとなって、大学院に進学しました。大学院在学中に北京の中央民族大学に1年間留学した際には、内モンゴルや青海を列車で一人旅し、大きな刺激を受けました(この時のエピソードは授業でも時々お話しします)。2010年に筑波大学で博士(文学)の学位を取得した後、ポスドクをしながら出産、2017年より本学の世界史専修に所属し、子育てをしながら授業や研究に勤しんでいます。現在の主な研究対象は、17〜19世紀にチベットと外部勢力(モンゴルや清朝など)の間に介在していたチベット仏教僧たちの活動と彼らのネットワークです。満洲語・漢語・チベット語・モンゴル語(上述の雍和宮の扁額と同じですね)といった多言語史料を用いて、激動の時代に民族や政治的枠組みを超えて展開しえた僧たちの歴史的役割を解明することに取り組んでいます。最近では、チベットについての概論書を分担執筆しました(岩尾一史・池田巧編『チベットの歴史と社会』臨川書店、2021年、池尻は上巻・第4章を担当)。チベットに関心のある大学生や大学院生にまず読んでほしい入門書です。ぜひご覧ください。

授業について

1年次生対象の「知へのパスポート」では、歴史研究とは何かということを受講生の皆さんと考えながら、研究発表のやり方、レジュメの作り方などをしっかりとマスターしてもらいます。専修分属後の演習科目(ゼミ)では、「個人的な興味・関心」から「研究課題」へとステップアップするためのサポートを行なっていきます。3~4年次の「世界史専修ゼミⅢ~Ⅵ」には、おもに明清時代の中国史や東アジア前近代〜近現代の歴史をテーマとする学生が所属しています。講義科目では、中央ユーラシアというダイナミックな歴史空間における諸勢力の興亡を扱います。現在の中央ユーラシアに多数存在する「国家」や「民族」がどのような経緯で形成されたものなのか、その歴史を紐解いていきます。

メッセージ

大学の歴史学研究は、これまでみなさんが教科書などで学んできた「歴史」を原典史料から見直したり、みなさんがまだ触れたことのない世界や価値観が今日の世界に与えている影響について考察したり、とても刺激的で知的な経験ができる場です。ぜひ一緒に世界を探究しましょう。