【発表報告】6/17-18日本造園学会全国大会@南九州大学

造園学会全国大会に初参加し、「近代造園空間の歴史的展開」のセッションで、
下記のタイトルで発表してきました。

林 倫子, 濱田 美知瑠「「神宮森林経営計画」の宮域林のゾーニング手法およびその思想に関する考察」

当研究室修了生・濱田さんの修士論文と、卒業生・三浦君の卒論がベースになった論文です。
濱田さんと一緒に追いかけてきた、戦前の宇治山田(伊勢)の都市計画「神都計画」の研究の一環として、
この「神都計画」の風致地区指定が、「神宮森林経営計画」から始まった都市全域の眺望保全施策の流れを汲むものではないか、
…という仮説の元に、「神宮森林経営計画」の内容について考察したものです。

自分自身は土木(工学系)の出身なので、林学のことは、濱田さんと三浦君と、一から勉強してきました。
「景観(≒ランドスケープ)」としてお隣の分野とはいえ、やはり、わからないことだらけでしたが、
調べていくうちに奥深いテーマで楽しくなってきました。

座長や、同じセッションのご発表の先生方と、前夜の交流会で事前討論(?)もできたので、
その点非常にありがたかったです。
「公園」とは何か、「神苑」とは何か、、、など、わかっているようでわかっていないことも多いので、
先生方にいろいろと教えて頂けて助かりました。
今後、内宮神苑のことなども引き続き調査して、論文化していかなければ、という思いを新たにしたところです。

なお、上の写真は、学会の交流会会場に隣接していた、Mallmall(都城市立図書館)。

図書館の屋内空間は、もちろん素敵でした。
よく紹介される、中央吹き抜けもかっこよかったですが、その写真映え以上の「居心地の良さ」が随所にある。
若者(小・中・高生)たちが自転車でやってきて(建物裏手にたくさん駐輪されています)
いろいろなところで、個人で、グループで、時間を過ごしているのが印象的でした。彼らの「居場所」なんですね。

さらに、屋外にも、大屋根の下も含めて、いつも誰かがたむろしています。イベントも開かれている。
(肖像権の関係もあるので、遠くから引いた写真だけ掲載します)
車社会のため、市内の他のところではほとんど見かけない「歩行者」に、ここなら会える。
そんな安心感と楽しさが、デザインの力で実現しているということに感動しました。
鶏刺しもおいしかったし。満足度高い学会でした。
(林)