【活動報告】地域安全学 夏の学校2025 in 防災科学技術研究所 つくば本所|2025年8月実施

こんにちは!奥村ゼミ4回生の齋藤と山形です。

8月21日(木)の「地域安全学 夏の学校2025」(防災科学技術研究所 東京会議室)に参加した翌日の8月22日(金)、今度はつくばにある防災科学技術研究所 本所での見学会に参加しました。修士1回生(M1)の大槻さん,久世さんも一緒に参加しました。(初日の様子はこちら

地震ザブトン

「地震ザブトン(可搬型地震動シミュレーター)」は、観測データをもとにリアルな揺れを再現できる室内用の小型装置です。座ったまま再現した揺れを体験できるため「ザブトン」と呼ばれています。
▶︎僕(山形)は2分間の長周期地震動を体験しました。2分と聞くと短い印象ですが、実際に体感すると終わりが来ないように思えるほど長く感じました。

「地震ザブトン」体験中

地震計

見学した地震計は、地震の揺れだけでなく落下物の衝撃にも耐えられるよう、機械とカバーを合わせると300kg以上の重さがあるそうです。ところで皆さん、日本には地震計が何台設置されているかご存知ですか?

正解は、、、なんと 1万台以上です!

阪神・淡路大震災を契機に大きく増えたとのことです。

また、海底地震計も見学しました。水深1000〜2000mの海底で地震の観測が可能で、震源に近い分、陸上より十数秒早く地震を検知できるのが大きな特徴です。

左:地震計,右:海底地震計

気象レーダー

MPレーダーは、雨粒の形まで観測でき、大雨発生の予測に役立ちます。雲レーダーは、雨粒よりもさらに小さい雲粒を観測できます。雨や雪を伴う積乱雲へ成長する前の積雲をとらえることが可能になるため、集中豪雨などの極端気象現象の早期予測に有用な気象レーダーとして期待されています。

マイクロ波放射計は、電波を受信して上空の水蒸気などの分布を計測する装置です。装置上部にある棒はアンテナではなく「鳥よけ」。かつて鳥が装置に止まったりつついたりすることがあったため、今の形になっているそうです。

左:MPレーダー,中央:雲レーダー,右:マイクロ波放射計

実験施設

実験施設の見学では、まず巨大岩石摩擦試験機を紹介していただきました。地震は断層がすべりることで発生しますが、この装置はその仕組みを研究するために使われています。断層のすべり方を決める大きな要因は「岩石の摩擦の性質」ですが、従来の実験装置では小さな岩石しか扱えず、実際の大断層で起きるような「連鎖的な地震」を再現することはできませんでした。世界最大規模の巨大岩石を扱えるこの装置によって、より実際の断層に近い現象を再現できるようになり、将来の地震予測精度の向上に役立つと期待されています。

続いて案内されたのは大型降雨実験施設です。世界最大規模を誇るこの降雨実験施設では、豪雨によって引き起こされる土砂崩れや侵食といった土砂災害、さらには洪水災害まで、実際の規模で再現することが可能です。ここでは基礎研究から応用研究まで幅広く進められており、災害メカニズムの解明に役立てられています。

▶︎傘をさしていたのに、豪雨実験で全身びしょ濡れに!暑さも吹き飛ぶほどの体験でした💦

左:巨大岩石摩擦試験機,右:大型降雨実験施設
全身びしょ濡れになりました

まとめ

今回の見学を通して、地震や豪雨災害をはじめとする自然現象に対して、最先端の技術で挑む研究の現場を間近で見ることができました。体験型の展示や大規模な実験施設を訪れることで、防災研究がいかに社会に直結しているかを強く実感しました。

▶︎「知識として知る」のと「自分の体で感じる」のとでは大きな違いがあると学びました。今回の体験を今後の研究や活動に活かしていきたいです。

<過去の「地域安全 夏の学校」の様子>
2024年8月 「地域安全学 夏の学校2024@神戸」に参加しました
2023年8月 「地域安全学 夏の学校2023@金沢」に参加しました!
      最優秀発表賞_地域安全学 夏の学校2023