オランダを知る 〜コロナウイルスによる影響〜

執筆者 奥村ゼミ4回生 藤木彩花

2019年11月に中国で新型コロナウィルスが発見され、今では世界中にこのウィルスが蔓延しています。オランダでは3月に入り状況は一変しました。今回は新型コロナウィルス感染症拡大防止のためにオランダが取っている対策の一部を紹介したいと思います。

オランダでは2月27日に初めて2人の感染者を確認してから、感染者数が10人、20人、50人、100人、200人と増加し、現在では1日1,000人以上の感染者が出ていると報道されています。感染者確認から2週間過ぎた3月15日に、3月16日から4月6日までの間、小・中学校、中等職業教育施設等の学校閉鎖、また、全ての飲食業施設や美術館、観光施設、スポーツフィットネス施設などを閉鎖し、可能な限り在宅勤務と自宅待機の要請や他人とは1.5メートル以上間隔をあける等の国からの指示もありました。この発表後、学校から子供たちに自宅勉強をするためのカリキュラムが配布され、教科書やネット、先生やクラスの子も含めたビデオ通話等を利用した遠隔教育がなされ、私のホストキッズ達は毎日、学校のように家でもカリキュラムに沿って学習を進めています(座学に限らず体育の指示もあります)。また、ホストペアレンツは在宅ワークの環境が整っており、平日家で仕事をしています。

日本と同じようにオランダに住む全ての人が在宅ワークを行ってはいないですが、話を聞く限りでは、日本より在宅ワークを行っている人が多いのではないかと想像し、このような状況にも企業が柔軟に対応しています。この時点では、日本と同じような社会の動きでしたが、それ以降の対策が日本と非常に違い、新たな規制指示や閉鎖延長の発表があり、施設は4月28日まで、学校は5月3日の5月休暇まで閉鎖、5月31日までのイベント禁止や観光施設の閉鎖となりました。買い物と出勤などの外出は認められていますが、他人と1.5m以上の距離を保ち、買い物へ行く際は同伴者なし、1人で行うのみ認められています。また、海岸や公園、サッカー場、バスケットボール場などの柵のある場所において、人が集まることを禁止し、外出する際は家族以外の人と3名以上が固まって行動することも禁止する規制がかけられました。これらのルールに違反した場合は、事業主に対し最大4,000ユーロ(日本円で約47万円)、個人に対し最大400ユーロ(日本円で約4万7千円)の罰金が科せられます。最近は警察による罰金徴収の導入や人が集まる場所への監視カメラの増設等により監視が強化され、本当に不必要な外出はできない状況です。私は、このような規制や他人との距離が近いだけで罰金になることに驚きと恐怖を感じるとともに、これまでしなければウィルス拡大が治まらない非常事態であることも思い知らされました。このように日本との法律・規制やウィルス対策の考え方、状況の違いが表れているように思いました。

先週3月29日に近所のスーパーがどのような状態になっているのかと一人で行ってきました。入口の右手には人数制限するための信号機や店内に入れなかった人が待機する場所に1.5m間隔でラインが7本ほど引かれていました。店の人数制限は、店の規模が異なっているため、それぞれのルールを作り対策をおこなっているようです。また店内に入ると、他人が1.5m以内に近づかないよう店員が大きなカートを一人ひとり渡し、使用後はアルコール消毒している姿を見ました。どんなに少量の買い物であっても大きなカートを持つ必要があるのです。