論文公開:建物に作用する津波外力に対する周辺建物の影響

2019年10月17日(木)論文が公開されました.

論文(査読有) 奥村与志弘,坂東直樹,四方寿,米山望,清野純史,建物に作用する津波外力に対する周辺建物の影響,土木学会論文集B2(海岸工学),Vol.75,No.2, I_871-I_876,doi: https://doi.org/10.2208/kaigan.75.I_871, 2019.

要旨

2011年東北地方太平洋沖地震津波では,建物に作用する津波水平力による転倒モーメントが周辺建物によって増大していたことを示唆する結果が示されている.しかし,どのような周辺建物配置や地形の際に,モーメントが増大するのかについては十分に明らかにされていない.本研究では,一般的な条件下において,周辺建物の配置,周辺建物の大きさ,地形の勾配に注目し,周辺建物と対象建物にかかる転倒モーメントの関係を検討した.その結果,対象建物の海側にある周辺建物は,対象建物に作用する転倒モーメントを増大させる可能性があり,その場所は対象建物の側方に楕円状に広がっていることが分かった.その広がりや影響の大きさは,建物のサイズや地形勾配の影響を受けて大きく変化することも明らかになった.