IEEE Accessに論文が採録されました

当研究室の論文がIEEE Accessに採録されました。

R. Higashimoto, S. Yoshida and M. Muneyasu: ConfidentMix: Confidence-Guided Mixup for Learning With Noisy Labels, in IEEE Access, vol. 12, pp. 58519-58531, 2024, doi: 10.1109/ACCESS.2024.3393440.

概要

深層学習モデルの学習には大量の正確なラベル付きデータが必要ですが、現実のデータではラベルノイズが混入することが多く、モデルの性能劣化を引き起こします。本論文では、ノイズの多いラベル付きデータを用いた深層学習における課題に取り組み、信頼度の高いラベルを用いた混合データ拡張手法であるConfidentMixを提案しています。

ConfidentMixは、ラベルの信頼度を推定し、その信頼度に基づいてデータの混合度合いを動的に調整することで、クリーンなラベルを保持した学習用サンプルを生成します。具体的には、信頼できるラベルを持つサンプルを慎重に選択し、ラベルの信頼度が高い場合は混合を強め、信頼度が低い場合は混合を弱めることで、ノイズの影響を抑制しつつ、信頼できるデータからの学習を最大化します。ConfidentMixの有効性は、人工的なノイズを加えたベンチマークデータセットや、実世界のノイズを含むデータセットを用いた実験により検証されました。その結果、ConfidentMixを用いることで、最先端の手法を上回る性能を達成しました。特に、ノイズ率が90%という高ノイズ環境下では、最大で15.1%もの顕著な精度向上を実現しています。

ConfidentMixは、既存のサンプル選択手法や半教師あり学習と組み合わせることで、幅広いノイズの多いデータからの学習に適用可能です。本手法は、現実のデータを用いた深層学習モデルの学習に役立つ新しいアプローチであり、ノイズの多いラベル付きデータを扱う様々な分野への応用が期待されます。