WEF国際教育フォーラム(世界新教育学会)の開催

今日から2週間弱、ドイツ(デュッセルドルフ・エムデン)とイギリス(オックスフォード)を巡ります。空港などでの待ち時間を利用して、書き溜めてしまっていた出来事を記していきたいと思います。

第1弾は9月末に行われた世界新教育学会の大会、WEF国際教育フォーラムについて。この大会、若輩ながら大会実行委員長を務めさせていただきました。以下、少々パブリック(公的)な感じでお礼と開催報告をします。おそらく後日、もう少し正式な報告書を公開するので、興味のある方はHP等をご覧ください。TwitterもFacebookも、色々あって非公開としておりアウトリーチにあまりなっていないので、備忘録的に。

2022年9月24日(土)、25日(日)の両日、関西大学を大会会場に、2022年度WEF国際教育フォーラムを対面・オンラインのハイフレックス形式で開催することができました。ご参加いただいた登壇者の方々、会員の皆様にお礼を申し上げるとともに、佐久間裕之会長をはじめとした学会事務局の諸先生、大会事務局長の冨澤美千子先生をはじめとした大会実行委員会の皆様、そして実務的に大会を支えていただいた学生や協力者の皆様に深甚の感謝を申し上げます。

 2022年度は、新型コロナウィルスへの対応によって得た知見を生かしつつ学会活動を進展させるため、多くの学会が対面とオンラインでのハイフレックス形式によって開催されています。世界新教育学会でも、学会事務局と大会実行委員会を中心に開催のあり方をめぐって議論を重ねつつ、後述する学会員の機会確保等のためのオンライン開催はもとより、コロナ禍によって失われた交流やゆとりを取り戻すことを意識し、3年ぶりのフィールド・トリップ、情報交換会および研究大会の対面開催を実行しました。

 大会直前に発生した台風15号の影響によって、関東方面からご参加予定だった会員の方々のフィールド・トリップ参加が叶わなかったことは非常に残念でしたが、野口援太郎ゆかりの地である兵庫県姫路師範学校跡地や、日本で初めての世界文化遺産となった姫路城をめぐることができましたことは、学会の貴重な「インフラ」でもある会員間の交流を再び活性化させる、再出発の試みとなったものと思われます。

また、「日本型教育における新教育の継承と発展」を大会テーマとし、基調講演・シンポジウムおよび自由研究発表という3つの枠組みで大会を、いずれもハイフレックスで開催できたことは、コロナ禍のもとで培ったICT技術を学会運営に有効活用する可能性を感じさせるものでもありました。こうしたICT技術の活用は、学会参加者の裾野を広げると同時に、不可避の社会的要請であり組織の活性化とイノベーションの観点からも重要な課題である、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)やワーク・ライフ・バランスの推進にも寄与することが見込まれています。今大会は、大会運営組織の「若返り」に度々言及いただいた。若い世代ほど共働きが増え、家族や世帯の形態が多様化する中、学会運営と子育てや介護との両立を必要とする会員の割合は、性別を問わずさらに高まり続けることが予想されます。会員が家庭責任と研究の両立を図りつつ、健康を維持しながら学会活動を続けられる持続可能な大会のあり方について、さまざまな示唆をいただきましたことに深くお礼申し上げます。

 また、今大会は、3つの自由研究部会で11件の研究発表が行われました。基調講演としてご登壇いただきましたマンチェスター大学のピーター・ケイブ先生には、直前まで入国が危ぶまれましたが、フィールド・トリップから情報交換会まで全ての大会プログラムにご参加いただき、日本の学校改革に関する歴史的課題をご提示いただきました。関西大学の山住勝広先生からは、制度化された学校教育の陥穽を打ち破る視点を新教育期の実践の再発見によりご報告いただき、大会の研究活動を刺激していただきました。改めて感謝申し上げます。

 今大会は、大会第1日目の理事会や、大会2日目の総会・日本WEF小原賞授賞式についても、ハイフレックス形式で開催いたしました。初めてのハイブリット方式の開催となり、不慣れなことも多く、至らぬ点や皆様にご心配をおかけした点も多々あったかと存じます。次に繋げる所存ですので、お目にかかれた際には忌憚のないご意見を賜れれば幸いです。