恐怖の出版

8/7日に春風社さんから『芦田恵之助の教育思想ーとらわれからの解放』が出ます。

学生時代の研究をまとめた学位論文に加筆修正をしたもので、なんだかとても肩肘張った、気取り屋の僕らしい本です。執筆中は、指導グループの諸先生と故中内敏夫先生に読んでいただきたいと思って書いていました。読者の射程は芦田(国語)研究者、綴方(教育思想史)研究者をはじめとした200人程度でとても狭く、読みにくい本だと思います。それでも信ずるところを丹念に書きました。

想定は春風社さんが趣向を凝らしてくれました。

引用文は本文にある「テクスト」=「刻印されたもの」としての性質をふまえ銀色(背部分や表中央部分は箔押し)。副題にもあるキーワード「とらわれのなさ」を装丁として表現すべく、タイトルを背部分等にまたがせることで連続する(平面にとらわれない)地平を表し、ひとつの意匠として展開。更に、研究書だけれどもその根本思想は今も有効という主張を示すため、本書の動機が記された文章が配置されています。

中表紙が『綴方十二ヶ月』をモチーフにされている点もとても嬉しく思っています。出版社の方はやはりプロですね。校正も何度もとても丁寧に付き合っていただきました。打ち合わせの度に、もう一度全部最初から書き直したくなりました。

現在6つの共同研究と2つの個人研究を進めており、次の単著はもう少し先になりそうですが、発展的に研究を進めていきたいと思っています。きっと無視されるかボロクソに叩かれるんだろうな…。しかし必ず次に繋げます。