2023年度の成果のまとめ

 ミュオグラフィアートプロジェクトは、2017年に発足以来2024年で8年目に入った。2023年はこれまで以上に多くの活動をこなしてきた。下記の通りである。

 2023年3月18日から22日に「来て見て楽しくなるミュオグラフィアート展2023」をグランフロント大阪北館2Fのアクティブスタジオで開催した。寄稿者及び出展者など総勢79名が参加した。この中で小学生が49名参加したのはうれしいことであった。さらに、この展示ではミュオグラフィ音楽を取り込み、「石野ゆうことその仲間たちによる”いにしえからのハーモニー”演奏」と「Federico’s musicとトーク」を加え、オンラインにて配信した。

 2023年3月25日には、ナレッジキャピタルワークショップ2023では、「火山、古墳、ピラミッドの中を透視できる!ミュオグラフィを学ぼう」と題して子供たちにミュオグラフィアートの実体験をしてもらった。小学生&中学生親子14組の28人が参加した。小学生でもミュオグラフィアートをりっぱに描くことができた。

 2023年5月1日-12月20日にはミュオグラフィアート展「物質と反物質」「神の粒子を補足するマシン」の写真作品を岡山の国際美術研究所にて展示した。アート作品の制作者は、マイケル・ホッシュ博士(CERN)で、2018年に開催した多摩美術大学美術館での展示と同じ研究者と作品である。CERNでは、素粒子物理学の最先端の研究を推進しているが、彼はそれらの研究をアート化して、社会に発信している。CERNではこのように科学と芸術を融合して事業を進めているのは、世界的にも進んでいると言える。

 2023年5月27日には、宇宙線編人形劇「ミークシ」による宇宙線ミュオン測位技術(ミュオメトリ)の映像紹介をグランフロント大阪のアクティブスタジオにて行った。この人形劇は、田中宏幸先生とカナダのサンダーバード制作チームのリー夫妻が共同で制作したもので、サイエンスと人形劇が融合したものである。

 2023年6月4日には、岡山大学にて文理融合分析による造山古墳の総合的研究のシンポジウムが開催された。我々のプロジェクトのミュオグラフィによる造山古墳の透視結果を角谷賢二が代表して報告し、古墳愛好者に注目された。

 2023年7月29日には、3月に引き続き子供を対象としたナレッジキャピタルワークショップ2023夏が開催された。ここでも好評で、参加者は多く親子55人であった。

 2023年10月27日には、JST主催の第17回サイエンスアゴラ2023 開催され、「人形劇ミークシの紹介とミュオグラフィアートの紹介(オンライン講演)」を駐日ハンガリー大使館の招待で行った。発表者は、プロジェクトを代表して角谷賢二と中島裕司であった。

 2023年11月11日には、地盤工学会メンバー18名の造山古墳およびミュオグラフィ観測現場の見学会があり、角谷賢二が引率と解説を行った。この会では、ミュオグラフィに関する専門的な質問が多くあり、地質学の分野の専門家もミュオグラフィに関心のあることが伺われた。

 2023年11月22日には、東京お台場のテレコムセンターにてJST主催の第17回サイエンスアゴラ2023が開催され、我々は、「最新のミュオグラフィとそのアート」に関してブース展示を行った。このブースは、欧州連合代表部が設定したブースである。

2024年3月27日から3月31日までグランフロント大阪北館2階のアクティブスタジオでミュオグラフィアート展2024を開催した。テーマは、「最新のミュオグラフィと最新のアート作品展」である。アーティスト作品28点、児童45名の作品3点である。見学者は、425名であった。

 以上のように2023年度には、研究者、教育者、芸術家、あるいは学生、さらに児童も加えて、老若男女を問わず、ミュオグラフィを介して多くの交流の場を持つことができた。