芸術学美術史専修

いまから 約50年前の1970年、 関西大学文学部哲学科に哲学専修、倫理学・宗教学専修、美学・美術史専修の3つの専修が設けられました。 これが現在の芸術学美術史専修の直接の原点です。それ以前の芸術を哲学的な問題として扱っていた時代も含めると、その歴史はさらに古く、旧制大学時代の法文学部文学科に哲学専攻が設置された1925年にまでさかのぼります。

2004年に文学部が一学科多専修制に移行したのにともない、美学・美術史専修は、哲学専修の美学美術史コースとなりました。 そして2006年には哲学専修から独立し、芸術学美術史専修となって現在に至っています。

この半世紀の間、芸術学美術史専修は多くの人材を社会に送り出してきました。一般の企業はもちろん、大学院に進んだのち美術館・博物館の学芸員や文化施設や文化行政機関の専門職員、修復家、大学教員として活躍している人たちも少なくありません。(私もその一人です。)

「芸術学美術史」とは

芸術学美術史専修はふたつの学問領域から成り立っています。「芸術学」と「美術史」です。

「芸術学」とは芸術を研究する学問のことです。視覚の芸術である美術だけでなく、音の芸術である音楽、言語の芸術である文芸、それらを総合した芸術である演劇などです。「美術史」はそのなかでも美術の歴史を研究する学問です。

美術史では、日本、東洋、西洋の絵画、彫刻、建築、工芸、デザイン、写真、映像、ファッションなどを幅広いジャンルを研究の対象にしています。また、美術史の方法論や美術批評など、理論的な側面からも美術を考察します。「この作品はなにを意味しているのか」「作者はこの作品で何を表現したかったのか」といった疑問を、同時代の社会や思想などとも関連付けながら解き明かしていきます。

芸術学も美術史も、最終的に学問として行きつくところは同じです。それは「人間にとって芸術とは何か」という究極的な問いです。目的や民族が違えども、芸術が生まれなかった時代はありませんでした。なぜ人間は芸術を必要とし続けてきたのでしょう。「人間にとって芸術とは何か」を追求することは、人間そのものを深く理解することでもあるのです。

専修関連行事

4月初旬 1年次生対象:専修別相談会
(芸術学美術史専修について専修教員が説明し、質問に答えます。)
11月中旬 1年次生対象:専修別相談コーナー
(専修選びのための質問に専修教員が答えます。)
11月下旬~12月初旬 1年次生対象:2年次生から属したい専修を登録する期間が設けられ、通常12月中旬には専修が決定します。
12月中旬 3年次生対象:ゼミ分け説明会
(4月から属するゼミ=卒業ゼミで指導を受ける教員を決めます。)
3月下旬 1年次生対象:専修別履修相談
(4月から芸術学美術史専修に属する学生への履修相談を行います。)

学生の希望に応じてゼミ単位での合宿や展覧会の見学会、読書会などを催します。

専修の教員

詳しくは文学部・芸術学美術史専修の「教員紹介」をご覧ください。