ベトナムで金石史料調査

ハノイ市博物館にてタインマイ鐘の調査

2024年3月7日から12日まで、森部豊教授と池尻陽子准教授が、ベトナムのハノイにおいて金石史料調査を行いました。ハノイには、かつて唐の安南都護府が置かれており、近年、その遺構も発掘されています。今回は、1986年5月にハノイ近郊で出土した「タインマイ(青梅社)鐘」が主な調査対象でした。現在この鐘は、ハノイ市博物館の倉庫に所蔵されています。その表面には、唐後半期の紀年があり、また仏教の信仰団体「随喜社」の構成員と鐘の鋳造に参加した施主の姓名・肩書が鋳刻されています。拓本は公表されていますが、読めない字もあるので、ハノイ人文社会科学大学のフイ先生の協力を得て、直接、鐘を調査し、銘文を確認しました。あわせて、ハノイ近郊の寺院にある石碑の調査も行いました。