ミュオグラフィアート展:「物質と反物質」「神の粒子を補足するマシン」マイケル・ホッシュ 2023.5.1.-2023.12.20. Muography Art Exhibition :Artworks prepared by Dr. Michael Hoch from the CERN laboratory near Geneva  ”Matter-Anti-Matter” “The God Particle Hunting Machine”

Matter-Anti-Matter

The God Particle Hunting Machine

マイケル・ホッシュ博士のミュオグラフィアート展
Artworks by Dr. Michael Hoch from the CERN laboratory near Geneva.

アーティストステートメント:「物質 – 反物質について」
ビッグバンの直後、約140億年前に遡ると、私たちの単なる存在はほんの偶然の産物であることがわかります。その当時、物質だけでなく反物質も創造されました。微量ではなく、物質の量の0.00000001%だけ少ない量の反物質が存在しました。創造されて間もなく、物質と反物質は再び衝突し、相互に消滅して純粋な放射線に崩壊しました。もし宇宙が放射線で満たされて他に何もなかったなら、銀河も星も惑星も生命も存在しなかったでしょう。しかし自然は、完璧な対称性に微小な違反を許すことを決定しました。そしてこの微小な過剰な物質が、私たちの宇宙全体の構成要素なのです。このシリーズは、ビッグバンの際の物質と反物質の対称的な創造を反映し、次の問いを投げかけます。「私たちは物質でできていますが、反物質はどこに行ってしまったのでしょうか?」
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The Artist Statements: on “Matter – Anti – Matter”
“Looking back almost 14 billion years, to a time shortly after the Big Bang, it turns out that our mere existence is nothing but a near miss. At that time, not only matter was created, but also anti-matter. Not a tiny amount of it, but just 0.00000001% less than matter. Shortly after their creation, matter and anti-matter collided again, annihilated and disintegrated into pure radiation. If the universe were filled with radiation and nothing else, there would be no galaxies, no stars, no planets and no life. But nature decided to allow for a small violation of the perfect symmetry of matter and anti-matter. And this minute excess of matter is what our whole universe is made of. The series reflects the symmetric creation of matter and anti-matter during the Big Bang by asking the question, “If we are made of matter, where has all the anti-matter gone?”
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展示会

日時:2023年5月1日から12月10日まで
場所:国際美術研究所 東方美術館 (岡山)/ 東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構岡山地区社会連携センター
International Art Institute / Okayama District Social Cooperation Center of International Muography Research Organization of The University of Tokyo
作品:ジュネーブ近郊のCERN研究所のMichael Hoch氏の作品

展示風景:ビデオ2分30秒 ☜ ここをクリックするとYouTubeのビデオが見れます。

本作品の初回展示:「宇宙(そら)に訊(たず)ねよ」多摩美術大学美術館 2018.5.19.-6.17.

【CERNについて】

CERN(欧州原子核研究機構)は、ジュネーブ近郊のフランス・スイス国境に位置する研究機関です。CERNは素粒子物理学の研究を行うための施設として知られており、その中心的な装置として大型ハドロン衝突型加速器(LHC)があります。

大型ハドロン衝突型加速器(LHC)は、世界最大の粒子加速器であり、円形のトンネル内を2つの高エネルギー粒子ビームが逆方向にぶつかることで、高エネルギーの素粒子衝突を実現しています。LHCは、陽子と陽子の衝突を行い、その結果得られる粒子の挙動や性質を観測して、素粒子物理学の基本的な問題にアプローチしています。

LHCの主な実験施設として、ATLAS(アトラス)、上記写真のCMS(コンパクト・ミュオン・ソレノイド)、ALICE(アリス)、LHCb(LHC美容室)などがあります。これらの実験装置は、素粒子の性質や相互作用に関する研究を行っています。

また、宇宙線の研究にもCERNは関与しており、宇宙線の起源や性質についても研究が行われています。これには、高エネルギー宇宙線の検出器や観測施設も含まれます。

【CMSについて】

検出器構造:CMSは、中心に巨大なソレノイド磁石を持つ円筒形の検出器であり、その中心に粒子が衝突する点があります。検出器内には、異なる検出層が配置されており、これらの層は異なる種類の素粒子を検出するために使用されます。

ミュオン検出器:CMSは特にミュオンを効果的に検出することに特化しています。ミュオンは他の素粒子と比較して長寿命で、高エネルギーでも検出しやすいため、宇宙線や加速器実験で重要な役割を果たします。CMSの名前にも含まれている「ミュオン・ソレノイド」は、ミュオンを特に効果的に捉えるための磁石を指しています。

トラッキング検出器:CMSには、粒子の軌跡を精密に測定するためのトラッキング検出器も備わっています。これにより、粒子の運動や相互作用に関する情報を高精度で収集することができます。

エネルギー測定器:エネルギーを持つ素粒子のエネルギーを測定するためのカロリメータもCMSに組み込まれています。これにより、陽子-陽子衝突によって生成されるさまざまな粒子のエネルギーを測定し、素粒子の性質を解析することができます。

物理学的目標:CMSの主な目標は、素粒子の基本的な性質や相互作用を理解することです。特に、ヒッグ粒子の発見(2012年に成功)、ダークマターや新しい物理現象の探索などがその重要なテーマとなっています。

CMSは、素粒子物理学の分野において世界中の科学者たちが共同で研究を行う重要な実験施設の一つであり、LHCで得られるデータを解析して新たな物理学的知見を導く役割を果たしています。