
Yuki Kontani, Eunuchs and Castrated Men in the Byzantine Law and Society, 527-1056, Palgrave Macmillan, 2026.
博士論文を基にした単著で、6世紀から11世紀半ばのビザンツ帝国における去勢者を主題としています。
ビザンツ帝国では、去勢されて生殖能力を失った男性たちが侍従(宦官)として皇帝に仕え、密接な関係を築いていました。さらに彼らは、宮廷にとどまらず、行政官や軍司令官、聖職者として活動し、政治・軍事・宗教の各分野において重要な役割を担うこともありました。
本書は、皇帝立法に注目し、その分析を通じて、去勢された人々や去勢行為そのものに対して皇帝がいかなる姿勢を示していたのかを明らかにしようとするものです。子をなせないという点において、去勢者たちは時に「一般的な」男性たちとは異なる存在として位置づけられることがありました。本書では、帝国内での去勢を禁じる法をはじめ、去勢された男性やその他の生殖不能の男性たちをめぐる婚姻・養子縁組・相続などをめぐる法規定を包括的に分析し、その変化と連続性の双方を描き出しました。