Image and Vision Computingに論文が掲載されました

当研究室の論文がImage and Vision Computingに掲載されました.
R. Fukunaga, S. Yoshida, and M. Muneyasu: ACD-U: Asymmetric Co-teaching with Machine Unlearning for Robust Learning with Noisy Labels, Image and Vision Computing, vol. 172, p. 106020, May 2026, DOI: 10.1016/j.imavis.2026.106020

概要

本研究では,誤ったラベルが含まれるデータを用いても,画像分類モデルを正しく学習させるための手法ACD-Uを提案しました.画像認識のAIは,大量の画像とラベルを使って学習します.しかし,Webから収集した画像や人手で作成したデータセットには,画像の内容とは異なるラベルが付いていることがあります.このような誤ったラベルを含むデータで学習すると,AIが誤った対応関係まで覚えてしまい,未知の画像に対する分類性能が低下します.

提案手法ACD-Uでは,性質の異なる2つのモデルを協調させることで,信頼できるデータを選びながら学習を進めます.一方のモデルは事前学習済みの知識を活用して安定した判断を行い,もう一方のモデルは学習データに適応しながら分類性能を高めます.さらに,学習中に誤って覚えてしまった可能性のあるノイズデータの影響を,Machine Unlearningにより選択的に取り除きます.

これにより,単に誤ったデータを避けるだけでなく,モデル内部に残った誤学習の影響を修正しながら,ノイズに強い画像分類モデルを構築できます.CIFAR-10,CIFAR-100,WebVision,Clothing1Mなどを用いた実験により,人工的なラベルノイズだけでなく,実世界のデータに含まれるノイズに対しても有効であることを確認しました.特に,高いノイズ率の条件において,既存手法よりも高い分類精度を達成しました.本手法は,医用画像,製造業における外観検査,自動運転,監視映像解析など,正確なラベル付けが難しい実世界の画像認識タスクへの応用が期待されます.限られた品質のデータからでも信頼性の高いAIモデルを構築する技術として貢献します.