IEEE Accessに論文が採録されました

当研究室の論文がIEEE Accessに掲載されました。

S. Yamamoto, S. Yoshida, and M. Muneyasu: Feature Space-Preserving Machine Unlearning for Robust Image Classification with Noisy Labels, IEEE Access, DOI: 10.1109/ACCESS.2026.3676403

概要

本研究は,誤ったラベルが混入した学習データによって画像分類モデルの性能が低下する問題に対処するため,機械学習の忘却技術(Machine Unlearning)を活用した新しいフレームワークを提案しています。ディープニューラルネットワークは,クラウドソーシングやWeb収集などで得た大規模データセットを用いて学習する際,ノイズラベルを記憶しやすい性質があり,これが分類精度の大幅な低下を招きます。従来の対処法はサンプル選択や損失補正など学習プロセス中の工夫が中心でしたが,本研究では学習済みモデルからノイズラベルの影響を選択的に「忘却させる」という異なるアプローチを採用しています。

提案手法では,

  • 信頼性の高いサンプルからクラスの重心を計算する機構
  • ノイズサンプルをすべてのクラス重心から遠ざけながら,同時にクリーンサンプルを正しいクラス重心へ引き寄せる双方向最適化戦略

を組み合わせた「特徴空間保持型アンラーニング」を実現しています。これにより,忘却処理中も識別的な特徴空間の構造(クラスのまとまりや決定境界の明確さ)が維持されます。CIFAR-10およびCIFAR-100データセットを用いた実験(ノイズ率10〜90%)では,既存のアンラーニング手法を大幅に上回り,高ノイズ条件のCIFAR-100において最大27.61ポイントの精度向上を達成しました。また,実世界のアノテーションノイズを含むCIFAR-Nデータセットでの実験でも有効性が確認されました。さらに,DivideMixやProMixなど既存の最先端ノイズラベル学習手法と組み合わせることで,わずかな追加計算コストでさらなる精度向上が得られることも示しています。