当研究室の学生がSISA Best Student Paper Awardを受賞しました

Phumiphat Santithawornying氏 (King Mongkut’s University of Technology Thonburi, Thailand)が、SISA Best Student Paper Awardを受賞しました。本研究は、Santithawornying氏が関西大学の交換留学プログラムを通じて本研究室で実施した成果です。

発表題目:Gated Co-Guidance for Multimodal Graph Neural Networks in Recommendation Systems

概要:

近年、動画配信サービスやECサイト、SNSなど、私たちが日常的に利用するサービスでは、膨大なコンテンツの中から自分に合ったものを自動で提示する推薦システムが欠かせない存在になっています。しかし、多くの従来手法は、ユーザの閲覧や購入といった行動履歴だけに依存しており、商品画像やテキスト説明といったコンテンツ本来の情報(マルチモーダル情報)を十分に活用できていません。そのため、行動データが少ない新しい商品では正確な推薦が難しいという課題がありました。

本研究では、この問題を解決するために、ユーザの行動履歴と、商品画像・文章などのマルチモーダル情報を効果的に組み合わせ、より高精度な推薦を実現する新しいAIモデルを開発しました。提案手法では、ユーザと商品をノード、その関係性をエッジで表すグラフ構造を用い、グラフニューラルネットワーク(GNN)により学習を行います。さらに、行動データとマルチモーダル特徴がお互いを補い合うように、双方の情報を行き来させながら学習させる相互ガイド(Co-Guidance)という仕組みを導入しました。加えて、重要な特徴だけを選択して学習できるゲート機構を取り入れることで、マルチモーダル情報に含まれるノイズを抑え、より信頼性の高い特徴抽出を可能にしています。

大規模な推薦データセットを用いた実験の結果、提案手法は従来の代表的な推薦手法を大きく上回る精度を達成しました。特に、行動履歴がほとんど存在しない新しい商品に対しても高い推薦性能を維持できることが示され、マルチモーダル情報を取り込むことの有効性が明確に確認されました。