【発表報告】12/10(土)-11(日) 第18回土木学会景観・デザイン研究発表会@岐阜

表題の学会において、当研究室からは以下の2編の発表をいたしました。

セッションB1:河川と景観(12/10(土)9:00~10:40)
清⽔咲季・林倫子・尾﨑平,地域住⺠団体の川づくり思想の醸成過程 ―⼤阪府豊中市「千⾥川を考える会」を対象として―

セッションB3:空間と歴史(12/10(土)15:00~17:05)
林倫子・青柳昇吾,近代宇治における遊覧地形成 ―宇治保勝会による宇治公園整備と本多静六らによる宇治町公園計画案に着⽬してー

「地域住⺠団体の川づくり思想の醸成過程 ―⼤阪府豊中市『千⾥川を考える会』を対象として―」は、
当研究室修士課程を修了された、清水さんの修士論文の内容です。
清水さんは、地元豊岡の川づくり団体「千里川を考える会」の活動内容に刺激を受け、
川のために立ち上がる市民が、どんな思いを糧に活動をしているのか、
その思いが醸成される原体験に迫ろうとしたものです。

会場では、「環境スチュワードシップ」なのではないか、との意見も頂きまして、概念に関してはまだ考察する必要がありますが、
しかし当時の会員の方々がのこされた何十年分もの会誌を、丁寧に読み解いていった、努力作でした。
卒業生が、自分の研究内容を学会発表してくれるのは、本当にうれしいことです。

「近代宇治における遊覧地形成 ―宇治保勝会による宇治公園整備と本多静六らによる宇治町公園計画案に着⽬してー」は、
当研究室卒業生青柳さんの卒論の内容をアレンジしたものです。
非常に努力家であった彼は、多数の行政文書を読み解き、当時の保勝会の活動や公園計画の内容を
学部生とは思えないほどの手腕で解明しました。
「塔の島公園」として、土木学会デザイン賞も受賞したあの中州とその近辺の観光地宇治の「界隈」が、
当時の地元有力者らの保勝活動によって整備された、という点を証明できたと思っています。
もう少し研究を進めて、査読論文としても投稿したいですね。

発表会は、久しぶりの完全対面開催で、「学会に参加できる喜び」に包まれていました。
運営の皆さまには、あのような楽しい会を開催してくださったこと、心よりお礼申し上げます。
これからも、楽しく景観研究したいものです。

(林)