推薦入試における競技成績に変わる評価基準について<私案>

 コロナ・ウィルスによる感染症の影響により、多くの部活動の大会が開催できなくなっています。それに関わって、いわゆる推薦入試において、これまでの競技成績を基軸にした評価ができなくなっており、今後の混乱が予想されます。

 このような状況をふまえ、一人の部活動研究者として私案を示したいと思います(日本部活動学会を代表する意見ではありません)。

<基本方針>

  • 推薦入試を行う大学や高校は、ポートフォリオ(部活動に関わる資料集)を活用した試験を実施する。

<評価の方法>

  • アドミッション・ポリシーの観点から評価する。
  • アクティブ・ラーニングや部活動の教育的意義である、自主的な活動、主体的な活動の観点から、受験生がどのような課題を自主的、主体的に解決してきたのかについて評価する。

<受験生に求められること>

  • 部活動に関わるポートフォリオを用意する(練習日誌、ミーティングの記録、新聞記事、トレーニング計画など、自分の部活動の経歴や経験を証明する資料を用意する)。
  • 上記のポートフォリオの中から、部活動において自主的、主体的に課題を解決した経験や、自分の適性、個性、人間性、特技、資質などを説明できる資料を選んでおく(提出が求められた時に対応できるようにしておく)。
  • ポートフォリオに基づいて、自分や所属した部活動のこと、そして、アドミッション・ポリシーとの関係を説明できるようにしておく。

<試験を実施する学校に求められること>

  • アドミッション・ポリシーをふまえて、どのような学生・生徒を求めるのかについて、受験生にわかるように説明をする。
  • ポートフォリオを用いて、どのような試験を実施するのか(個人面接、集団討論、自己PRなど)を受験生に明示する。
  • どのような内容のポートフォリオ・資料を、どれくらいの量を提出させるのかについて、受験生に明示する。
  • アドミッション・ポリシーに基づく評価基準・ルーブリックを作成し、それに基づいて評価ができるようにしておく。

PDF版はこちら→