About us

[ 研 究 室 紹 介 ]

研究室概要

生体や生体成分と直接接触して医療に使用される材料をバイオマテリアルと呼びます。当研究室では、高分子(ポリマー)からなる新しいバイオマテリアル(メディカルポリマー)を開発し、医療へ役立てることを目的としています。
現在の医療においては、治癒率の向上だけでなく、患者・医師の双方に対して負担の少ない診断・治療の方法(安価,低い侵襲度,迅速・簡便な操作,医療事故の危険低減など)が求められています。私たちは、この課題を解決する鍵の一つがバイオマテリアルであると考えています。
当研究室では特に、身体の中で無毒な成分に分解・吸収される生分解性ポリマーを基盤として、研究を展開しています。生分解性ポリマーの代表例は、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトンなどの脂肪族ポリエステル類です。私たちは、これらのポリマーの共重合体や新規開発のポリマーを設計・合成し、未来医療への貢献を目指して、以下の研究を進めています。

研究テーマ

1. スマートバイオマテリアルの医用材料としての応用

  1-1. 生分解性インジェクタブルポリマ
  1-2. 生分解性形状記憶ポリマー

2. ナノ粒子によるドラッグデリバリーシステム(DDS)

  2-1. PIC被覆高分子ミセル
  2-2. 生分解性ナノゲル

3. 新規な生分解性高分子の合成

  3-1. ポリデプシペプチド
  3-2. 多種多様な共重合体

PROJECT

KU-SMARTプロジェクト
「人に届く」関大メディカルポリマーによる未来医療の創出

(2016年私立大学研究ブランディング事業選定)

KU-SMARTプロジェクト「『人に届く』関大メディカルポリマーによる未来医療の創出」は,2016年私立大学研究ブランディング事業に選定された研究プロジェクトで,大矢が研究代表者をしています。プロジェクトでは関大で開発された医用高分子材料=関大メディカルポリマー(KUMP, Kansai University Medical Polymer)を基軸として,化学・物質工学科の高分子材料研究者が,大阪医大などの臨床医・医学研究者,システム理工学部の機械工学者との統合的医工連携により,現場(患者,医師)に届く医療器材の開発を目指しています。プロジェクトのページも是非,ご覧ください。

研究室の歴史

1979年井本稔教授(大阪市立大学名誉教授)定年退官、大内辰郎教授(当時:専任講師)が引き続いて高分子第二研究室を担当。
1989年京都大学工学部高分子化学科(今西幸男研究室)より大矢裕一助手が着任 。
1991年研究室名称を「高分子第二研究室」から「機能性高分子研究室」に改名。
1996年大矢裕一(当時専任講師)アメリカテキサス大学J.L.Sessler教授のもとへ留学(~1997年)。
1998年大矢裕一 助教授に。
2003年大矢裕一「日本バイオマテリアル学会科学奨励賞」受賞。
2007年学部改組により、化学生命工学部化学・物質工学科に。 大内辰郎教授「高分子学会功績賞」受賞。
2008年大内辰郎教授、退職。関西大学名誉教授に。 大矢裕一、教授に昇任。研究室を引き継ぐ。
2011年東京大学先端科学技術研究センター 生命反応化学分野(小宮山真研究室)より葛谷明紀准教授が着任。
2017年大矢裕一「日本バイオマテリアル学会賞(科学)」受賞。
2018年葛谷明紀 教授昇進。独立して「知能分子学研究室」を開設。

研究室のロゴマーク

当研究室で頻繁に使用するポリ乳酸合成のモノマー「ラクチド」を図案化。
二方向に伸びる矢印は、研究の多様な方向への展開をイメージ。

分子組織体の素材として使用していたDNAの二重らせんとFunctional Polymerの頭文字FPを図案化。

いずれも、原案は大矢。

研究室の構成

共同利用スペース