RQ(リサーチクエスチョン)とは
リサーチクエスチョン(RQ)
Xはなぜなのか
Xにはどうしたらよいか といったWh型リサーチクエスチョン
XはYであるか といった命題型リサーチクエスチョン
XはYである (yes or on?) といった宣言型リサーチクエスチョン
が考えられますが、当ゼミでは宣言型リサーチクエスチョンを基本にします。
リサーチクエスチョンの意義、範囲については下記サイトを参照してください。
Theoretical Sociology : http://sociology.jugem.jp/?eid=452 (外部サイト)
よい論文の指標(DOC3E)
論文のDOC3Eについて説明しておきます。
D: Documentation 先行研究
O: Originality 独自性
C: Claim 主張
C: Consistency 一貫性
C: Clarity 明晰性
E: Evidence 証拠
D: Documentation 先行研究
先行研究とはあなたの論文以前のそのテーマに関する研究です。
そのテーマとは 多重にかかります。例えば、あなたのテーマが「恋愛のメタファー」だとすると、直接の「そのテーマ」は、「恋愛のメタファー」になり、その次のレベルの「そのテーマ」は「メタファー」になります。
さて、先行研究は網羅されていなければなりません。理想世界では、すべての先行研究を知って、読んで、理解している必要があります。(先行研究の検索に関しては別途)
先行研究のまとめ方
先行研究は、主要なものを、複数(少なくとも3つ以上)書きだします。そして、2.1, 2.2 2.3 などで、それぞれの主張、データなど、サマリーを行います。
先行研究の統合の仕方
これを皆さん忘れがちです。「Aさんはこう言っている、Bさんはこう言っている、Cさんはこう言っている、以上。」となりがちですが、これらを統合しないければなりません。つまり、
A、B、Cの共通点
A、B、Cの相違点
相違点がある場合には、どれがどのような理由で正しいのか
を明らかにしないといけません。これが終わって、やっと、分野総体として、どのようなことが知られていて、どのようなことがしられていないのかがわかります。
O: Originality 独自性
その論文の新しい点です。論文を特許と考えてみてください。電気を通したら光がでるデバイスを発明した、とか、二つの輪っかで、歩行よりも早く移動できる乗り物を発明した、といっても発明にはならないですよね。すでの他の人が思いついて作っちゃっているfからです。論文には必ず、新規な論点が必要で、それが、独自性(Originality)です。
大学院生以上の論文ならば、これは先行研究の裏返しです。先行研究調査がしっかりできていれば、それ以外の主張なり、データなりを挙げれば、独自性になります。
学部生のレベルでは、大学院生のレベルのものができればいいですが、できない場合には、データをコーパスなどで自分で取っていれば、それが独自性を保証することになります。
C: Claim 主張
は別途)論文で一番大切なのは主張です。鍋島ゼミでは、リサーチ仮説として、Yes,Noで答えられる主張をひとつだけを取り上げることにしています。
女性語は役割語である
オノマトペにおいて濁音は汚さを表すことが一番多い
類義語、movementは移動、motionは反復的な動きを表す
などです。
C: Consistency 一貫性
同じくCであらわされるものに、一貫性があります。例えば、序論で、女性語は役割語である主張したのに、結論が女性語は役割語ではない、となったら一貫性のない例です。ほかには、「この理由には3つある」と述べたのち、2つしか理由をあげないというのも明白な一貫性の欠如です。
C: Clarity 明晰性
同じくCであらわされるものに、明晰性があります。これは「わかりやすさ」と取られてもらえばよいですが、3つ理由がある場合には、段落をそれぞれ変えて、「第1に~、第2に~、最後に~」としていればわかりやすい工夫の1つでしょう。また、章や節の最初に、「これ、これ、これを論じる」とかいてあって、それぞれに最後に、「これ、これ、これを論じた」、とあれば、わかりやすいですね。
E: Evidence 証拠
証拠は主張と対になります。例えば、「免許証には年齢制限をつけるべきだ」と主張した場合、その根拠が必要ですよね。複数あるべきですし。説得力のある議論をしましょう。そのためには
1. 証拠は多い方がいい
です。第1に、第2に、第3に….最後に。と並べます。また、
2.証拠は強い方から並べる
いったん納得すると他の主張も受け入れやすいですが、いったん疑問に思うとすべて疑問に思えてくるからです。
3. 特定のルールに従って並べる
強い方から並べるのはもちろんです。それ以外に、関連性の強いものから並べる、東西南北とあればそれに従って並べる、時間の流れがあればそれに従って並べる、似通った議論は近くに並べる、(または一つにする)など、一貫性と明晰性を心がけましょう。
これが、DOC3Eです。よく覚えて必ず実行してください。
学会出席に関して
発表をたくさん見て、理解をすることで、論文を考える頭が良くなります。
これは、自分の論文だけをやることでは、得られません
発表が理解できなかった場合には、自分の基礎知識が足りないのか、
相手の発表の内容ややり方が悪いのか良く考えましょう
自分の知識が足りないなら、それは自分が持っている知識か、そうでない知識か、判別しましょう
たとえば、合成構造、フォースダイナミクス、イメージスキーマという理論は、認知言語学の分野で就職する人には持っているべき知識です。
メタファーは強いですが、みなさんが期待されるのはそれとともに認知言語学全般に対する知識です。
これは、授業で網羅的にはできないので、集中講義、学会、研究会で、みなさん自身が、知識を深めてください
話が逸れましたが
発表が自分の分野に近いこともあります。その際には、ライバルー戦友 的な関係になります。
よく話して、情報交換するいいチャンスです。
その上、立派な先生と懇親会であえます。
こういう人たちは、みなさんの投稿を審査する立場にあります。
まて、将来には、みなさんの就職にアドバイス、直接関わってくる可能性もあります。
研究者が仕事に就くというのは所詮、論文の数、誰と友達か、評価されているか、と言ったことです。
国際学会 論文
国内学会査読付き論文
このふたつでだいたい、カウントします。
ただ、論文が書けるようにならないと上記の論文はかけませんから
国内学会査読なし論文も積極的に書いて下さい
発表→発表論文集→ジャーナル
というのが、ひとつの流れです。
といったことは研究者の常識ですから、わたしから聞かないでも、研究者の友達をたくさん作ってください
(ただ、年齢が上で大学の常勤についていない人は付き合うのは時間の無駄と思います)