【研究会】口頭発表@よそおい・しぐさ研究会(YS研)第22回研究会

よそおい・しぐさ研究会にて,対人コミュニケーションという視点から,笑顔や笑いについてお話します.

テーマ 社会的作法としての装い
発表1 「笑むことと装うこと〜社会的作法としての笑みを考える〜」森田亜矢子(関西大学人間健康学部)
概要1 顔面の表情を細やかに変化させる能力、および、他者の顔面表情を読み解く能力は、ヒトにおいて最もよく発達してきました。本発表では、他者を魅了する普遍的表情の1つである笑顔を取り上げます。笑顔は、快の自然な情動表出であるとともに、装いとして、また、社会的適応の方略として、発達の過程で身につける作法でもあります。「笑顔はどのように発達するのか」「作り笑いと自然な笑いを見分けるには」「笑顔と対人魅力の関わりとは」など、笑顔を装いととらえて考えていきます。
発表2 「カウンセラーの化粧とは?~社会的作法としての化粧を考える~」清水麻莉子(名古屋大学大学院教育学研究科)
概要2 女性が日常的に行う行為である”化粧”は身体的魅力を高めるとともに,さまざまな心理的変化をもたらすことが知られています。特に,相手についての情報が少ない対人関係の初期においては,容貌や服装といった外見的特徴から形成される印象が与える影響は大きいことがわかっています。非日常的な対人関係が構築されるカウンセリング場面では,カウンセラーの身体的魅力がカウンセリングの継続に影響するとの指摘があり,カウンセラーの第一印象はカウンセリングを進めていく上で重要であると考えられます。そこで,今回の発表では平均顔を用いてカウンセラーの化粧の程度を操作した印象評定実験の結果について報告を行い,カウンセラーの化粧が認知者であるクライエントにどのような影響を与えるのかについて考察したいと考えています。
発表3 「衣服選びと装うこと~社会的作法としての衣服選びを考える~」荒川歩(武蔵野美術大学造形学部)
概要 「服装なんて着れればなんでもいい。よそおいなんて自分なんて無関係」と考える人が多くいますが、そういう人だって、クマのぬいぐるみで学校・職場に行くかと言われれば躊躇するでしょう。「服装は何でもよい。ただし変でないものに限る」の「変でないもの」が何を意味するかの幅や内容は、人によって場面によって意外と異なります。話題1の森田先生の言葉を借りるなら、その違いに、その個人が「社会的適応の方略として、発達の過程で身につけ(た)作法」を見て取ることもできるでしょう。本話題提供では、入学から2か月間の衣服変化についてのインタビュー研究(毎週木曜日の服研究)と、服装選び場面において何を考えながら服装を選んでいるかについての思考の発話の録音研究を通して、服を選ぶという行為に現れる社会的調整作用について議論したいと考えています。
主催 よそおい・しぐさ研究会(YS研)
日時 2017年3月6日(日)14時00分~17時00分
会場 関西大学千里山キャンパス第1学舎1号館A201
会費 無料