【論文】「社会の基盤を支える先端技術の知識を文系教育のレイヤー層に導入する試み ―科学リテラシーの育成、およびAIに対する誤解と社会的諸問題に焦点をあてて―」

下記論文が公刊されました。

社会の基盤を支える先端技術の知識を文系教育のレイヤー層に導入する試み ―科学リテラシーの育成、およびAIに対する誤解と社会的諸問題に焦点をあてて―」『関西大学高等教育研究』第15号pp.51-66.

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要旨
本研究は、科学技術分野を専門としない文系学部の 1 年生 60 名を対象とする科学リテラシー育成の取り組みであり、学んだ知識や技能を専門以外の領域へ応用する力を育むことを目指して、どの知識を 学ぶか(what to have)という制約を超え、どのようにあるべきか(how to be)を考察する授業を、 初年次教育のレイヤー層に導入する授業開発の試みである。その主題は、自動運転技術である。はじめ に、主題に関する知識量を確認し、先端技術を文系の文脈で考察したのち、ふたたび学生の知識量を測 定し、両者の数値を比較して有意差を確認した。また、高等学校の教科書にある AI 技術の解説、およ び、AI に関する新聞記事件数の推移等を調べて考察を行った。その結果、AI に関する誤解が存在する こと、文系学部でも先端技術の話題を用いた科学リテラシー教育が有効である可能性が示唆された。

キーワード 人工知能、初年次教育、フレームの再構築、文理融合、自動運転技術 / AI (Artificial Intelligence), the First-Year Experiences, Restructure of Frames, Fusion of Humanities and Sciences, Autonomous Driving Technology

付記
本論文は、2021 年度関西大学学術研究員制度の 助成を受けた研究成果の一部です。