医療・環境分野を革新するスマートポリマーの創製

生物や生体分子のように,熱や光などの外部刺激に応答してその性質を大きく変える高分子を「スマートポリマー」といいます。先端高分子化学研究室では,光や熱などの物理化学的な刺激ではなく,医療や環境に関連する特定分子を認識して応答するスマートポリマーに焦点を当てて,世界の科学および技術を革新する世界初のバイオインスパイアード材料の創製を目指しています。

世界初!標的分子を認識して膨潤・収縮するスマートゲルの創製

世界に先駆けて標的分子やタンパク質,DNAを見分けて膨潤・収縮する分子応答性ゲルの合成に成功しました。この分子応答性ゲルを利用して,ドラッグデリバリーシステム(DDS)や環境ホルモンの検出・分離材料などについて研究しています。

次世代医療や環境問題に貢献!スマートポリマーを用いたバイオナノテクノロジーの開発

乳化重合や制御重合,表面グラフト重合などの高分子合成技術を駆使して,ナノからマイクロサイズのスマートゲルやミセル,カプセルを作製しています。これらは,DDSや高感度バイオセンサーなどへの応用が期待できます。

新規なバイオマテリアル!スマート液晶高分子の医療応用

体温付近で液晶-等方相転移する新規な液晶高分子の合成に成功しています。この液晶高分子を用いてDDSや診断システムに利用できる高分子ミセルや分離膜を作製し,世界で類のない液晶高分子を用いたバイオマテリアルの開発を行っています。

再生医療に貢献!外部刺激でゾル−ゲル相転移や形,固さが変わるスマートポリマーによる細胞制御

光や生体分子に応答して形や固さが変わるスマートポリマーや,ゾルからゲルへと相転移するスマートポリマーの合成に成功しました。これらのスマートポリマーの上で細胞を培養することで細胞の接着や分化,周期などの制御ができ,再生医療への応用が期待できます。