ベルギーのワークショップで講演

2024年3月11日にベルギーのルーヴェン・カトリック大学(Katholieke Universiteit Leuven, KU Leuven)で開催されたKansai University and KU Leuven Joint Workshop on HistoriographyにてA Comparative History of Social Tourism: Cases from Switzerland and Japanと題する講演を行いました。

詳しくは世界史専修HPの記事をご覧ください。

『スイス観光業の近現代』刊行

このたび、初の単著『スイス観光業の近現代―大衆化をめぐる葛藤』(関西大学出版部、2023年2月)を刊行しました。本書は私の博士論文を原型としつつ、これまでの公表してきた複数の論文を一つにまとめたもので、20世紀前半のスイス観光業の歴史的意義を明らかにしようと試みました。

1930年代以降のスイスでは、第一次世界大戦前のように外国人富裕層の旅行様式を前提とする、高水準の観光の維持が限界に達していました。観光業界は大衆化をはじめとする社会的・経済的変動と向き合い、新たな方向性を打ち出す必要に迫られていました。1930年代から40年代前半にかけて、スイスの観光業界は、観光の大衆化と客層の差別化をめぐるせめぎあいの渦中にいました。本書では、第二次世界大戦前から戦後にかけての連続性を重視し、当時のスイス観光業の模索の中から、戦後の西欧諸国で観光の大衆化を促進することになる振興策が生まれてくると主張しました。関心のある方はぜひご覧ください。

書評・紹介等
・『史林』第107巻第3号(2024年5月)に書評が掲載されました。評者は浮網佳苗氏(同志社女子大学助教)です。
・『西洋史学』第277号(2024年6月)に書評が掲載されました。評者は穐山洋子氏(同志社大学教授です。
・『社会経済史学』第90巻第2号(2024年8月)に書評が掲載されました。評者は河村英和氏(跡見学園女子大学教授)です。
・運輸総合研究所メールマガジン(2023年8月1日号)で紹介されました。
・『たびとしょ―旅の図書館News Letter―』Vol. 23(2023年4月号)で紹介されました。
・『日本の古本屋メールマガジン』第367号(2023年3月24日号)で本書を紹介しました。

関西大学出版部の紹介ページへ

『ドイツ文化事典』に項目執筆

ドイツ文化事典

丸善出版より石田勇治(編集代表)『ドイツ文化事典』(2020年10月)が刊行されました。私は、項目「スイス・アルプスをめぐる歴史―『通路』から『目的地』へ」を寄稿しました。ドイツ(語圏)に関わるさまざまな情報が、各分野の専門家によってコンパクトに解説された、楽しく読める事典ですので、関心のある方はぜひご覧ください。

『はじめて学ぶドイツの歴史と文化』刊行

はじめて学ぶドイツの歴史と文化

南直人・谷口健治・北村昌史・進藤修一編著『はじめて学ぶドイツの歴史と文化』(ミネルヴァ書房、2020年)が刊行されました。森本は第11章「ツーリズムからみたドイツ史――『旅行の世界王者』への道」を執筆しています。

本書は、通史とテーマ史から構成され、類書とは一味違った切り口の概説書になっていると思いますので、手に取ってご覧いただけると幸いです。なお、書店に並ぶのは11月になる予定です。

書評会に参加

6月29日(土)に同志社大学烏丸キャンパスで開催されたドイツ現代史研究会6月例会に参加しました。私は、穐山洋子さんのドイツ語による近著『1893年のシェヒターの禁止と動物保護協会:19世紀後半スイスにおける文化的ネーション形成』について、著者による内容紹介を受けてコメントしました。

全体のプログラムは以下のとおりです。

書評1
Yoko Akiyama, Das Schächtverbot von 1893 und die Tierschutzvereine. Kulturelle Nationsbildung der Schweiz in der zweiten Hälfte des 19. Jahrhunderts, Metropolverlag: Berlin, 2019.
自著紹介:穐山洋子(同志社大学)
批評:森本慶太(関西大学)

書評2
石井香江『電話交換手はなぜ「女の仕事」になったのか――技術とジェンダーの日独比較社会史』ミネルヴァ書房、2018年。
批評:山岸智弘(同志社大学大学院)
応答:石井香江(同志社大学)