ようやくリリース!

 

随分と延びましたが一応発売されましたので、毎度のごとくレビューを書いていこうと思います。例によって、著者ではなくこのHPの編集者が書いています。
著者の矢野が普段の講義で配る(大変好評の:本人談)大量の演習問題を本にした感じで、学部の知識定着用です。つまり、定期テスト〜院試対策にまで使えます。
大学で扱う反応機構を大まかなグループに分け、『反応機構のポイント』で説明して、基本問題で演習→発展問題で力試しというのが一番流れになっています。
『反応機構のポイント』では、曲がった矢印に番号を振っているので、どの矢印から書き始めれば良いのかがわかります。『逃げてから攻撃されるのか、攻撃されて逃げるのか』。かなり曖昧な表現ですが、わかる人にはわかってもらえると思います。これが紙面上でちゃんとわかるので、これには好感を持てました。
基本問題に関してですが、前書きに「これまでは反応の前と後の物質を覚えておけば良かったのに・・・」的な記述があり、あえて生成物まで載せているのかなと思います。「最初と最後を覚えたって意味ないんだヨ!」という著者の憎たらしい性格が滲み出ています。
ただ、この『1000本ノックシリーズ』は化学が超苦手な人向けの本であり、基本問題は初級レベルはクリアできているのかという確認です。生成物が書いてあるなんてアシストがあり過ぎです。ということで、こんなレベルはいち早くクリアして、反応物しか書いていない発展問題をやりましょう。
しかし、そんな発展問題も分野毎では数がかなり少ないので、ここまでやった後に、人をぶん殴ったら怪我をさせるくらい分厚い人名本の章末問題などをやるのが良いと思います。この『1000本ノックシリーズ』は超初級〜中級向けなので、得意にまで持って行きたい方は、レベルの高い問題に当たれる力が付いてきたらどんどんステップアップしていって下さいね。
(本の詳細はこちら。)