配属を考えている学生の皆様が気になっていそうなことを挙げました(なので正確には、「よくありそうとこっちが勝手に思っている質問」です)。基本は矢野視点で書いています。

Q. コアタイムは本当にないんですか?


A. ありません。その日やるべきことが終わったら帰っても良いです。(生活習慣を正すため、朝は10時までに来てもらう決まりにはなっています。)夜用事(飲み会、アルバイト、サークルなど)があるなら、早く来てそれまでに終わらせて下さい。但し、これが結構大変です。前日から実験計画を練って、器具の準備をして、試薬の性質を調べて、反応とその後処理にかかる時間を計算し、全てを踏まえてNMRの予約をするなど、考えることが本当にたくさんあります。夜遅くまでダラダラ残らないようにするために毎日必死に考えています(ウチに限ったことではないと思いますが、何もしていない時間は極力なくそうという雰囲気は結構強くありますね)。この「逆算」を間違えると確実に上手くいきません。そして一気に「やりたいのにできない」という無駄(「律速」)が生まれてきます。物凄く宜しくありません。19時には誰も研究室にいないこともありますが、それは前もって思考を凝らし実際に要領良くやった結果です。 『メリハリをしっかりしろ!』は矢野の方針です。

Q. 進路に迷っています。


A. 一度きりの人生ですからよく考えて下さい。研究室での毎日は大変ですが、やり甲斐もあります。学生の間にやるべき苦労をやっておかないと、30歳になって激しく後悔します(しつこいくらい言います)。就職か進学か迷っている場合はもちろん相談に乗ります。将来(と言っても30歳なんてすぐにやって来る)、やらなくて良い苦労をしないために熟考して下さい。
学部卒業後就職を考えている方へ。企業説明会・面接に行く、ESを書くなど非常に忙しくなると思います。就活で研究室に来れない時はあらかじめ伝えて頂ければ、就活を優先して頂いて構いません。無理に二兎を追う必要は無いと思いますが、研究の内容を調べる程度はやって欲しいです(選考においてもこれからどのような研究をやっていくのかを訊かれると思います)。この時期は就職先を決めるのが第一と思って下さい。その代わり就活が終わったらしっかりと卒業研究に切り換えて下さい。「社会人前最後の1年だから遊びたい」、「よくわからんけど言われた通りやってれば何とかなるやろ」、「この知識来年使わんし・・・」というような気持ちはわかりますがしっかりきちんとやって下さい。そんな姿勢では卒業論文は到底書けないですし、そんなに甘いものでもありません。当研究室の方針として誰であれ甘やかして卒業させるつもりは微塵もないということは理解しておいて下さい。

Q. 学部で就職する人と院に行く人の割合はどんな感じですか?


A. ほぼ半々です。研究・技術職を目指すなら大学院に行くことを強くオススメします。いや、それ以外あり得ない!3年間必死にやれば、見違えるような実力が付く環境が整っています。

Q. 他大学の大学院を受験することはできますか?


A. それは構いませんが、進学先の研究室への連絡・訪問や進学手続きなどはご自身で行って頂くことになります。また、院試勉強と並行してこちらで卒業研究も行って頂きます。そして何より大前提として、進学先の研究室の研究内容・教授陣・環境など全てが理想的で、そこに是が非でも入りたいという気持ちが必要です。大学ブランドだけに拘らないで下さい。同じ研究室にいると1年間テーマにかけられる期間が増える(共同研究先など同じテーマを扱っている場合は変わりませんが)ので、より多くの研究結果を得やすいということになり成果も出しやすくなります。それは学会発表や論文投稿の機会の増加に繋がり、将来の研究者として大きな糧になります。また、関西大学の推薦入試や先取り履修制度なども研究のしやすさに大きく寄与しています。よって、(最終学歴よりは研究者としての成長を優先して(ということだと思いますが))関西大学に残って研究を続けている学生がほとんどです。これらのことをよく考えてから選択してください。あくまでその人の1回きりの人生なのでこちらがどうこう言うつもりはありませんが、もし考えているなら相談に来て頂けると良いと思います。

Q. 就職先としてどのような企業がありますか?


A. 研究内容と関係がある化学系メーカーが多いですが、詳細は矢野に聞いて下さい。わざわざ当研究室限定で出向いて下さる企業様もあります。

Q. 有機反応は長いから嫌なんです(>_<)


A. 確かに有機化学の反応、中々終わらないものもありますね。でも、待っている時間ってボーッとしているだけっていうのも結構あるんですよ。反応にも依りますが、本当に集中して作業をする時間は5分位なんですよ。配属された直後だとずっと緊張しているので凄く疲れます。でも、大学院生の先輩を見ていると、結構大胆にリラックスしていて、「あ、これで良いんだ」と気付くようになります。このHPの編集者は、30分撹拌だと「またすぐにやらなあかんやんけー。あーしんど( ´Д`)」とか思います。逆に3時間撹拌だと「気を休める時間がいっぱいある(^o^)」と楽な気持ちになります。終夜反応は後処理を翌日に持ち越すことができるのでもっと楽な気持ちになります。反応後処理もしないといけないですから詰め込んでノンストップでやるよりは休憩は長い方が良い位に思ってもらえたらと思います。どのような反応が進んでいて、次は何時に集中したら良いかがわかれば気が楽になりますよ。

Q. 毎年何人くらい受け入れていますか?


A. 大抵6、7名です。一応、バイオ分子化学コースの研究室となっていますが、やっていることは有機化学ですので応用化学コースの学生さんも受け入れています。

Q. どんな学生が向いていますか?


A. 成績は良いに越したことはないですが、成績が悪くてもそんなに気にすることはないです。学部でやった知識も勿論使いますが、新しい概念も多く、どの道勉強する(し直す)ことになりますので、ここでしっかりやればそこまで影響はないかと編集者は思います。
とにかく真面目に毎日実験が出来る人、失敗にめげない人が向いていると思います。「有機化学の世界、打率(実験の成功率)1割なら首位打者や」が矢野の口癖です。「まぁ、今からちょっとやってみるかあ」位のフットワークの軽さがあれば良いですね。

Q. 研究テーマはどのようにして決まりますか?


A. せっかくの卒業研究なので、研究テーマとする分子を自分で1から設計したいと考えているかもしれませんが、最初は難しいと思います。というのも、この分野の知識がほぼない入室したての学生が「なんか良さそう」と考えた分子よりは、この分野に明るい専門家達が経験と知識を練って編み出した分子の方が単純に期待値が高いからです。なので、テーマはどのように決まるかということですが、最初は基本的に教員に割り当てられると思っておいて下さい。ただ、候補の中から自分で選ぶことは交渉次第では可能です。もちろん、学士卒の1年間か大学院修了までの3年間の違いによって、希望に添えないこともあり得ます。ある分子で解析まで研究が進んできた頃には知識も結構ついてきている(はずな)ので、その次からは学生自身で分子設計をして進めていくという流れになってくると思います。

Q. 研究室の説明会とかはやるんですか?


A. 配属前の9月後半か10月の前半にやります。このHPには書いていない大事なことも話します。少なくとも2回はやる予定です。詳細はまたこのHPで連絡致します。

これ以外で何かご不明な点がございましたら、矢野(myano(at)kansai-u.ac.jp (at=@))までご連絡頂くか当研究室(第四学舎第2実験棟2階)までお越し下さい。