研究室紹介

研究・教育の理念と方針

化生折衷”
化学と生物の技術的な融合による新しいマテリアルテクノロジーの創出する。
生体分子の構造解析(基礎)から医療用デバイス開発(応用)まで広く展開

万折不撓”
嫌っちゅうほど失敗した後のちっちゃい成功の快感を通して、時々挫けそうになりながらも屈しない信念のある主体的行動力を身に付ける。
社会に貢献できる教養と専門知識を兼ね備えた骨のある人材の育成
(補足:百折不撓 – ひゃくせつふどう; 何度失敗しても信念を曲げないこと。)

研究室のスケジュール(概要)

日間
月曜日から土曜日まで、自分の生活に合わせて研究室で勉強・実験する。
朝に短時間のミーティング(研究内容でグループに分けて実施)

週間
毎週月曜日夕方に週間報告会、毎週土曜日午前中に雑誌会(学術論文の紹介)を実施し、メンバー全員でじっくり議論する。

年間
[4月]歓迎会、研究テーマ確定
[8月]研究室夏季中間発表、フレッシュマンゼミ・ポスター発表会、夏休み

フレゼミ・ポスター発表会 (2022.8.1)

[10月頃]特別研究中間発表
[12月]研究室冬季中間発表、オリエンテーションゼミ・ポスター発表会、冬休み
[2月]卒論・修論発表会

どの研究室にしようか思案中のみなさん + 当研究室にご興味のある方へ

我々の研究室では、次世代医療(人工臓器や組織再生)を実現するための基盤となる高度な医工学材料技術の開発を目指して、基礎から応用にわたる幅広い研究を手掛けています。
ご存じの通り、化学・物質工学科は国内最大級のバイオマテリアル研究拠点であり、この分野を牽引されている多くの先生方が在籍されています。そんな中、当研究室では、『化学と生物の技術的な融合』による『生体内の細胞の周辺環境模倣』を基本戦略として、医療への貢献を真摯に考えながら研究に取り組んでいます。良くも悪くも物質や方法論にこだわることなく(合成から遺伝子組み換えまで様々)、柔軟に研究をすすめていますので、『主体性のある挑戦意欲の旺盛な人』であれば得意分野に関係なく大歓迎です。

ご質問は、柿木(sachiro[at]kansai-u.ac.jp ※[at]を@に変更してください。)までお願いします。

研究室のロゴとカキチュウ

医工学材料研究室では、文字通り、工学的な手法によって医学のための材料を創ることを目指しています。
三匹のヘビは医療技術のシンボルであるアスクレピオスの杖を表すと同時に、当研究室の三要素となる医学と材料、そして人(メンバー)を意味しています。それらが融合(絡み合う)ことで、歯車(工学)が噛み合って潤滑に機能しています。さらに、三匹のヘビが形成する三重らせんは、当研究室のマテリアル設計戦略の中枢であるコラーゲンの高次構造を表しています。かなり盛り込んだロゴですが、当研究室のコンセプトを上手く表現できていると感心しています。
医工学材料研究室の発足(2021.4.1)を記念して、中山みどりさん[柿木と前職(国立循環器病研究センター研究所・生体医工学部)で一緒に研究をしてくれた学生さん(当時)、現在は臨床工学技士として活躍中]が、ゆるキャラをプレゼントしてくれました。名前は『カキチュウ』です。カキは柿木の苗字から取ってくれたようです。皆さんがよくご存知の、黄色くて電気を放つアレとは全く関係ありません。素敵なギフトをありがとうございました。カキチュウのコンセプトにお応えできるように頑張ります。
中山みどりさんからの解説:新人研究員のマウス、カキチュウくん(2歳1ヶ月)。毎日、熱心に研究する日々を送っており、三度のご飯を忘れる時がある。柿が大好物で、いつも頭と尻尾に柿を乗せており、お腹が減るとそれを食べる。魔法のフラスコを持っており、中の空模様を眺めていると次々と新しいアイディアが浮かんでくるという。

よくある質問

Q1:コアタイムはありますか?
A1ありません。学生・院生の裁量に委ねています。ただ、夕方以降にミーティングを実施することがあります。学位の修得を目指して、主体的に好きなだけ研究・勉強に取り組んでください。自己管理ができない学生には時間的な指導を実施する場合があります。All you can study as much as you want. (勉強し放題です。)

Q2:アルバイトはできますか?
A2:平日はちょっと難しいと思います。週末や休暇(春季・夏季・冬季)だとできると思います。学業や研究のみならず健康に支障をきたしては困りますし、不定期な研究ミーティングを実施する場合もあります。色々な事情があると思いますが、貴重な学生・大学院生時代にしかできないことに時間を使って欲しいです。様々な奨学金制度もありますのでご相談ください。

Q3:どんな実験ができますか?
A3:ペプチドの化学合成、遺伝子組み換え人工タンパク質の生合成、脂肪族ポリエステルの合成、タンパク質の分子修飾、グルコサミノグリカンを主とした多糖類の分子修飾、高分子・セラミックス・金属の表面修飾・解析、細胞(株化細胞、遺伝子組み換え細胞、プライマリー細胞)の培養、微生物の培養や抗菌性試験、小動物実験(簡単な移植実験、血液適合性試験、マイクロサージャリー)などです。

Q4:生物に関する知識に自信がないのですが研究できますか?
A4:実際に研究を始めると、生物に限らず色々な事を深く知りたくなって勝手に勉強をしてしまうはずです。講義で習った内容は絶対に知っておくべき基礎であり、研究する上で必要になるのはもっともっと具体的で深い内容です。自信よりも好奇心の方が圧倒的に重要です。私が担当する分子生物学(3年次・秋学期)は履修しておいて欲しいです。

Q5:英語が苦手なので学術論文(英文)を読めるか不安です。
A5:たとえ日本語で書かれていたとしても、ほとんどの人は研究を始めたばかりの段階で学術論文をスラスラ読めません。我々の研究対象が生物・化学・工学・薬学・医学の境界領域ということもあって、関連分野の学術論文(日本語&英語)には講義では習っていない専門用語が溢れています。合理的な返答ではないと怒られそうですが、結局は、「習うより慣れろ」だと思います。

Q6:就職活動はできますか?
A6:もちろんできます。文章の添削や面接の練習などもサポートしています。ただし、就職活動の予定や進捗状況は、適宜、報告して頂きます。

Q7:大学院への進学は考えていないのですが・・・?
A7:大学院進学を考えていない方も歓迎しますが、大学院進学を強く勧めています。就活の期間も考えると、1年間では研究の楽しさが分かる境地に辿り着けることは稀です。大学院(前期課程)に進学して3年間じっくりと自分のテーマに向き合って欲しいというのが私の希望です。

Q8:他大学大学院を受験できますか?
A8:もちろんきますが積極的には勧めていません。我々の研究室でも色々なことに挑戦できますので、どのような”研究”をしたいか遠慮なく教えてください。

Q9:研究室はどのような雰囲気ですか?
A9:一般的な化学系研究室の雰囲気だと思います。実際に見学して在籍学生らと話してみてください。
[柿木教授室] 第4学舎2号館 教養教授棟 2階 突き当り
[医工学材料研究室] 第4学舎2号館 教室棟 4階

Q10:学会発表する機会はありますか?
A10:もちろん、国内外の学会で積極的に発表してください。学会発表で人前で話す経験は、社会に出てから求められるであろうプレゼンスキルの向上にも役立つはずです。こちらから押し付けることはありませんが、学会発表は研究を進める上での一つの目的になると思います。

Q11:他の研究機関との共同研究に携わることはできますか?
A11:もちろんできます。国立循環器病研究センター研究所をはじめ、複数の研究機関と共同研究をしています。

卒業生・修了生の就職先(五十音順)

朝日インテック株式会社、旭化成、荒川化学工業株式会社、いなば食品株式会社、株式会社NTTデータMSE
大塚化学株式会社、京セラ株式会社、サカタインクス株式会社、株式会社サティス製薬
三栄源エフ・エフ・アイ株式会社、サンライズ株式会社、シミックヘルスケア・インスティテュート株式会社
ダイキン工業株式会社、東洋紡株式会社、株式会社ダイゾー、大日本塗料株式会社、東洋製薬化成株式会社
西日本積水工業株式会社、日本ペイントホールディングス株式会社、株式会社ネクサスエージェント
ハリマ共和物産株式会社、株式会社フジコー、株式会社フジシール、レイス株式会社、レジノカラー工業株式会社
ロート製薬株式会社、株式会社ワールドコンストラクション
教員、公務員、他大学大学院など