菅原ゼミの学部生クラスでは、さまざまな国や地域の映像文化にたいして幅広い関心を持つ学生が在籍しています。ジェンダー論や作家・作品論、文化・社会史の視点から映像作家・作品を分析する学生が比較的多いといえますが、近年顕著な傾向として、学生自身が日々親しんでいる身近なメディア現象(SNS、声優、アイドル、音楽フェス等)や舞踏・演劇等の舞台芸術を研究対象に選ぶ方も増えています。菅原ゼミからはこれまで以下のような卒業論文が提出されました。
■2024年度
- VODとこれからの「映画館」(春学期提出)
- 『ハリー・ポッター』シリーズのヒットの裏側とその魅力—— メンタルヘルス的観点からの可能性(春学期提出)
- アメリカにおけるヒューマノイドの表象——SF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と映画「ブレードランナー」への再創造から読み解く
- 英国ファンタジーを読み解く——別世界の創造
- 『志願兵』と『朝鮮海峡』から見る日本統治下の朝鮮映画における朝鮮ナショナリズム
- 混淆する空間、その境界と「労働性」——溝口健二『赤線地帯』論
- 『君の名は。』における非言語的感情表現について
- クリストファー・ノーラン論——時間と愛
- アニメーションにおける「不在」の表現から何を読み解くか——両親「不在」の必要性
- 宮崎アニメにおける母性の多面性―『天空の城ラピュタ』を中心に
- ミュージカル映画における台詞から歌への移行について―ミュージカル・ナンバー開始の演出について
- タイタニック映画論——映画モードの変遷とタイタニック映画『Saved from the titanic』から『Titanic』まで
- 逃避先の空間
- 音楽空間としてのロック・フェスの変容
- CM の中で洗濯をする男性——性別役割分業と清潔さという観点から
■2023年度
- バレエダンサーの身体——メディアから自然への回帰
- 顔出し声優の身体性——佐倉綾音の複数の身体
- クエンティン・タランティーノ論——古典的ハリウッド映画との相違を中心に
- 「本物の家族」を超える疑似家族集団は人々の希望となるか
- 『美少女戦士セーラームーン』における少女文化表象
- 「ただ私たちなだけ」——ガールクラッシュの求める自分らしさ
- タランティーノ西部劇におけるジャンルの再構築
■2022年度
- 2.5次元ミュージカルとBLリーディング
- アリ・アスターの描く家族への考察——血縁という閉鎖性を超えて見える新たな家族観
- 物語の中のユートピア——韓国映画『スウィング・キッズ』を中心に
- トランス女性はなぜ悲劇に遭うのか——映画表象から見える母性との関係性
- 黒沢清の映画に見る「映画の原理』と「外の原理』
- 21世紀中国語圏武侠映画におけるヒロインの表象研究
■2021年度
- パニック映画における女性像の変遷——アン・ダロウからサラ・コナーへ
- 『大奥』(2010)において男女は逆転しているのか
- 是枝作品におけるドキュメンタリー的演出について
- アメリカの学園映画と『ブックスマート』
- 『雨に唄えば』がバックステージをどのように活用したか〜ミュージカル・シーンの演出の展開について〜
- 『上田久美子論~上田情緒とFLYING SAPA~』
- 『パプリカ』における虚構
- アニメーションにおける動物表象〜ディズニー作品『バンビ』と『ライオンキング』を中心に
■2020年度
- 映画『カメラを止めるな!』が持つ感染力
- 女性映画における日本版ポスター批判
- 世界のおける日本アニメの受容
- 炎上CMからみるジェンダー表現
- 映画『るろうに剣心』が魅せる本格的なアクション時代劇
- 『ALWAYS 三丁目の夕日』に見る昭和ノスタルジア
- マイケル・ジャクソンの『スリラー』とそのMVについて
- バレットタイム論
- 新海誠作品におけるプロダクト・プレイスメント成功の要因分析―視聴者との共感形成の観点から
- 働く女性の装い~映画のPBQ~
- ホラー映画においてPOVSを活用する作成者側の意図
- オリバー・ストーン「ベトナム戦争三部作」
- 日本におけるインド映画上映史
■2019年度
- ネット社会の問題点~YouTubeを通して危惧すべきことを探る~(春学期)
- 宮崎駿作品世界からみるホームドラマ(春学期)
- YouTube誕生後における予告編演出の傾向
- 『放射線Ⅹ』(1954)に見る特撮怪獣映画の変化
- 『銀塊』の比較研究~作品がもたらす聴覚的効果~
- 映像字幕を介した異文化理解の可能性
- 『Alice in Wonderland』はどのように映画化されたのか~さまざまな国の子ども観と歴史的背景~
- ディズニー・プリンセス作品の変容とプリンセスの限界
- ペドロ・アルモドバル監督作品における女性同士のホモソーシャルな関係について
- 「時代と共存するディスニー・プリンセスが表現するもの」
- auのCM三太郎シリーズのキャラクター分析とメディアミックスについて
- メディアにおける障害者表象の変遷
■2018年度
- キャラクタービジネスにおけるディズニー・プリンセス
- ディズニーアニメーションの変遷の中に見る「うさぎ」
- 映画『タイタニック』はなぜ愛され続けるのか ―様々な視点により真実味を帯びた映画のメッセージとは―
- 映像でみるスクールカースト —スクールカーストの変遷が日本の映像作品に及ぼす影響—
- 西川美和論
- テーマパークの変遷 ―日本化されたテーマパーク―
- モチベーションビデオとは ——日本とアメリカの事例を中心に——
- 『ラ・ラ・ランド』はなぜ評価されたのか ——監督デイミアン・チャゼルの演出上の工夫——
■2017年度
- プロダクト・プレイスメントから見るグローバル化の是非
- 災害時におけるフィクション作品の影響性 ―連続テレビ小説『あまちゃん』に着目して―
- 作り出されるホモソーシャルな世界:韓国映画を中心に
- 広島県における映画産業が地域に与える影響と今後の役割 ―フィルムコミッションの活動と共に―
- マンガ『タッチ』における「あだちスタイル」と 劇場版アニメとの比較
- 光の都市装飾の系譜〜光の向かう先〜
- オードリー・ヘップバーンの魅力探求 −—ファッション、演技、慈善活動について
- 『エリザベート』からみる宝塚歌劇団の男役の存在
■2016年度
- ホラー映画からみるハリウッド映画とアジア映画の比較論
- デジタル時代のミュージカルのかたち~『GLEE』を中心に~
- メディアと関西弁のイメージ形成-ラジオ・映画・テレビを中心に-
- 俳優松田優作の役作り
■2015年度
- 女性と魔法とアイデンティティ
- ナトコ映画とはいったい何だったのか
- バーナード・ハーマン×アルフレッド・ヒッチコック——映画音楽の役割とは何か
- オズ―技術革新とアダプテーションによって形成された国
- 『スター・ウォーズ』にみる製作の双方向性
- 2つの顔を持つ女優 メリル・ストリープ——衣装とメイクによるアイデンティティの切り替え
- 「誘惑」的なりんごと女たち——『白雪姫』物語の毒りんごと悪役とヒロインの行動の変化について
- 宮崎アニメにおける神様のすがた——フロイト・サルトルの視点から見たねばつきのイメージをもとに
- ネット漫画の変容に関して——ネット漫画の様式と作品分析を中心に
■2014年度
- ナタリー・ポートマンがなぜ好かれるのか
- イ・チャンドン監督論
- 北野武映画における転換期
- 日常系アニメと美少女キャラクター
■2013年度
- ディズニー・プリンセス「白雪姫」の主婦化——アップルパイと7人のこびとのもつ役割
- 韓国の恋愛ドラマにおける脱メロドラマ化の変遷
- 「食べる」意味——小津安二郎映画における食事シーンについて
- 『吸血鬼ドラキュラ』におけるモリス像の変化について
- ジャッキー・チェンとカンフーアクション映画——ハリウッド進出を経て
- 映画音楽の在り方——音楽と映像の相互作用
- 小池修一郎の「〈影〉の美学」——『エリザベート』『ロミオとジュリエット』から見る小池演出の独自性
- 「サムライ・アニメ」における日本性と普遍性の表象——普遍性、日本性、テクノ・オリエンタリズムの観点から
- ニューシネマにおける男性身体の表象
■2012年度
- 笑えないイギリスのコメディ、イーリング・コメディとは
■2011年度
- 映画に“傷跡”を刻むアウトサイダーたち ——クリント・イーストウッド、北野武、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーから考察する自己破壊型の自作自演監督について
- 「想像された中東」 ——映画に描写された中東を追って
- ハリウッドとテクノ・オリエンタリズム
- 映画から見るオーストラリア社会——白豪主義国家から多文化主義国家へ
- マイケル・ムーア作品における独自性 ——なぜマイケル・ムーア作品は人々の興味を惹きつけるのか
- 高度経済成長とウルトラマン ——あの時代からのメッセージ
- 2つの「リアリティ」 ——PIXARが観客に贈る感動
- 描かれた女優たち——初期アメリカン・アニメーションにおける女性描写をめぐって
- 「クール・ジャパン」がなぜ海外で躍進するのか ——アニメに焦点を当てて
■2010年度
■2009年度
- 映像による地域活性化
- 日本における映画文化発展のための活動について
- キャラクター形成の特性——『時をかける少女』芳山和子の変遷から見る
- 1990年代以降の韓国映画 ―現実からの回避とエンターテインメントの狭間
- ハリウッド映画と「日本人」——移民史からみる主流意識の形成と日本人俳優の演じたアメリカの他者
- 『五人の斥候兵』『土と兵隊』の系譜——日本の戦争映画の“型”
- ハリウッドの異端児——ティム・バートンの映画の世界観
- シェークスピア映画におけるローレンス・オリヴィエ
- ミュージカル映画におけるリアリティ志向
- 童話とディズニー
- 戦時下の上海映画——映画に対する多様な視点の重要性
- ガリシア映画とは何か?——スペインの地域ナショナリズムと映画政策
■2008年度
- 韓国映画におけるホモソーシャル性、男達の絆
- スタニスラフスキーシステムと映画との関連性——映画俳優への道、スタニスラフスーへの憧れと共に
- SF映画にみるランドスケープの変遷
- ジャパニーズミュージックビデオ——音と映像の関係
- 女性の表象とまなざし——メロドラマを通して
- 進化する日本の映画興行
■2007年度(テーマプロジェクト「東アジア映像文化論」)
- 清朝、西太后
- 上海アパート映画事情
- 原作漫画の実写化映画の展望
- 映像の中の自然美——中国映画を題材にして
- チェン・カイコーと『北京ヴァイオリン』の親子愛
- 蔡明亮作品論序説
- 李香蘭と山口淑子
- 岩井俊二の映画における「少女マンガ性」について
- 映画女優・劉暁慶——現代中国の象徴として
- チャン・イーモウ初期作品における色彩研究
- 京劇映画に描かれる京劇——中国社会と伝統をめぐって
- 中国映画における日本人描写に関する考察
■2006年度
- 卒論ゼミはありませんでした(テーマプロジェクト「東アジア映像文化論」担当)
■2005年度
- 僵死とキョンシー
- 映画『紅夢』にみる中国女性~1920年代から現代まで~
- 『西遊記』が示す妖怪
- 春節食文化比較 華北・華南
*担当者は2005年度は中文専修所属でしたので、中文の学生さんたちを担当しました