タイヤに組込んだ摩擦帯電センサの出力

現在では,タイヤ空気圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)が広く採用されるようになり,タイヤ空気圧や温度の監視による安全性の向上が図られている.また,路面と唯一接しているタイヤから接地面の情報を収集解析し、路面情報やタイヤの状態を把握するセンシング技術も一部実用化されている(1).すなわち,タイヤと路面の接触状態を検出できれば,タイヤと路面の摩擦力やタイヤの摩耗量をモニタすることが可能となり,自動車の安全性向上に対して極めて有意義であると考えられる. 一方,タイヤと路面の接触状態の検出をタイヤ内部に設置したセンサで行おうとすると,タイヤ内の温湿度環境や振動が過酷な条件となるため,その環境に適したセンサが少なく,あったとしても高価であると推定される.また,モニタした接触状態をタイヤ外部へ送る際にはワイヤレス通信を用いる必要がある.さらに,それらのセンサやワイヤレスユニットを駆動するための電源がタイヤ内部に必要となり,その電源として電池を用いた場合,その交換が極めて面倒なものとなる. そこで,我々は電源を必要とせず,かつ発電が可能であり,柔軟でシンプルな構造の摩擦帯電センサが,この用途に適していると考えた.本研究では,我々が開発したシリコンゴムベースの摩擦帯電センサをチューブ入りタイヤへ組込み,摩擦帯電センサの出力を加速度センサ出力と比較して,センサの基本的な出力特性を確認した(2). 別ウィンドウで開きます→詳細はこちら...
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