経済統計学

日々起こる経済の動きを的確に判断するためには、統計データに基づいて考えることが重要です。統計データは、現に起こっている事実関係を把握するためだけではなく、国際的・歴史的な視野から今日の実体経済を判断したり、経済政策の効果を検証したりするときに欠かせない基礎資料です。

本講義では、統計実務も踏まえながら、経済統計学1、2を通じて各種経済統計の体系や利用法を解説します。一見客観的にみえる統計データの作成方法や考え方を理解し、経済統計の意義と限界を知ることで、真実をつきとめる難しさと面白さも学びます。数学的な知識は前提としませんが、毎回、新聞等のニュースからも具体的なデータを採り上げ、日本経済の現状や課題も学びます。

経済学特殊講義(交通と地域)

人口減少、高齢化、地球温暖化、さらには感染症に伴う移動制限も含め、都市や地域を取り巻く問題は深刻さを増しています。本講義では、こうした問題を身近な交通という切り口から考察します。

具体的には、交通と地域の関係を整理しながら、日本と欧州における地域公共交通政策をお話し、さらに地域公共交通の地域や社会に与える効果に関する実証分析も紹介し、これからの交通と地域のあるべき政策や姿をについて考えていきます。また、こうしたテーマについて、経済学的な視点やデータを用いることで、客観的で冷静な判断、政策提言を行うことを学び取ってもらうつもりです。

ゼミナール

高齢化、地球温暖化といった問題に直面する中、交通のあり方は、これからのまちづくり、観光、産業など地域経済の活性化を考えるうえで、重要な論点になります。特に、公共交通については、自家用車の普及や人口減少といった状況の下、事業者の採算の悪化からさまざまな問題に直目しています。一方、海外からの訪日観光客の誘致など、新たな地域活性化も期待されます。本ゼミでは、このような交通の問題を中心に、これからの地域の課題、日本の課題を考えていきます。毎回教科書等の発表のほか、新聞記事を用いた簡単なディスカッションも行います。また、実際に交通や都市の実態を見聞するため、視察旅行に出かけます。