ゼミ紹介

私が担当している学部ゼミでは、大学生のうちに身につけておきたい考え方の枠組みやコミュニケーションのあり方、ことばの使い方を学んでいます。また、海外の大学の日本語学習者や国内で日本語を学んでいる留学生と交流活動を行ったり、インタビューやストーリーテリング活動を行ったりもしています。これらの活動を通して、バックグラウンドや環境が異なる人たちと話をするように努め、人々の、そして自分自身の多様性を認識すること、自分の内にある偏見やステレオタイプを振り返り、当たり前だと思っている価値観を捉え直すことを目指しています。学部ゼミ生には、物事を1つの側面だけでなく、複数の側面から見ることで、当然視されている概念や事象にとらわれない考え方を身につけてほしいと望んでいます。

研究科のゼミ生は、日本語教育に関連する研究を行っています。日本語教育を通して、世界を、社会を、少しでも変えていきたい、少しでも良くしたいという熱意と熱量の高い人たちばかりです。不思議と、実直で素直で誠実な人が嶋津ゼミに集まってきます。日本語教育に関する疑問や各自の問題意識から出発し、解決したい課題や明らかにしたい事柄をしっかり見据え、研究を組み立てていきます。その過程で、ゼミ生同士の議論が重要になります。議論を通して、自分の研究を振り返り、さらに研究意義を深めていきます。研究科ゼミは、議論を繰り返すことによって、研究を進め、最終的に修士論文や博士論文の形に落とし込んでいきます。

嶋津ゼミはいつでも見学が可能です。嶋津ゼミに興味関心を持たれた方は、shimazu[at]kansai-u.ac.jp([at]を@に変えてください)までご連絡ください。

博士後期課程

尹惠彦

学年博士後期課程
研究テーマ社会が求める「言語能力」とは何でしょうか。正しい文法や流暢な会話能力は何でしょうか。私は、従来の「言語能力」を批判的に捉え、多言語話者のことばとアイデンティティについて研究しています。異なる文脈で生きる人々の経験が「ことば」にどのような影響を与え、自己を位置づけているか、アイデンティティを形成しているかを、かれらの人生の径路から探っています。
夢を語る自分の気持ちに従い、ありのまま生きることが夢です。今は、とにかく、ワークライフバランスが取れる生活を送ることが夢です。
ゼミについて一言!トンネルの中を一緒に歩みませんか?たまには光が、たまには、嶋津先生からの雷が落ちますが、(笑)先輩や後輩、同期と一緒ならトンネルの中からもレインボーが見られるゼミです!!

博士前期課程

丸谷充伸

学年博士前期課程3年
研究テーマ研究テーマは、日本語教師【養成】に求められる資質・能力としての「態度」と、日本語を教えるという日本語教師の営みとの関わりを明らかにすることです。ここで言う資質・能力としての「態度」とは、文化審議会国語分科会が2019年3月に公表した報告書の中で示しているものです。示されている「態度」は、一般化され、抽象的な表現で記述されています。それを具象的なものへと捉え直し、教師教育の分野に貢献できる研究を目指しています。
夢を語る日本語教育に携わりはじめたのが、40歳を目の前にした歳と遅く、それゆえ1日でも長生きし、1日でも多く日本語教育に恩返しをしていきたいと考えています。
ゼミについて一言!嶋津ゼミは、「嶋津先生が大好き!」という人の集まりです。そして集まった皆が、嶋津先生から1つでも多くのことを学ぼうと、研鑽を積んでいます。そういった仲間に刺激を受け、また支えられてもいます。

張偉祺

学年博士前期課程2年
研究テーマ2023年現在では、多くの外国人が日本国内に定住するようになり、多文化共生社会というキーワードはよく耳にするようになった。私は多文化共生社会の実現を目指している地域日本語教育について研究を進めており、多文化共生社会とはどのような社会状況を指すのか、またその実現のために地域日本語教育には何が必要なのか、を明らかにしたい。この研究を通して、あらためて多文化共生社会を捉え直し、これからの地域日本語教育に貢献できることを期待している。
夢を語る私は死ぬまで自分自身がやりたい、やりがいと感じることをしたい。そして、少しでもいいから、これからの人々のために、何かこの世に残したい。
ゼミについて一言!嶋津先生と出会い、嶋津ゼミに入り、嶋津ゼミのみんなと出会ったおかげで、私の人生は大きく変わった。嶋津先生及びゼミのみんなのおかげで今の私がいる。私にとって家族のようで最高の場です。

戸川朝子

学年博士前期課程2年
研究テーマ日本語学校における教師の成長に関心があります。教育現場においては、教師が抱く葛藤や、教師の成長を阻害する様々な壁が存在します。一方で、学習者から学ばされるもの、同僚から得る学びなど、教育現場でしか得ることのできない成長のチャンスもあります。教師は一人でできるものでは決してない-。日本語教師の、集団としての学びのプロセスがどのように形成されていくのか、組織としての学びとは?そのようなことをテーマに研究を進めています。
夢を語る個人的にずっとこれまで日本語教育に携わってきたこともあり、日本語教育に関わる人全てがハッピーになるといいなと思っています。
ゼミについて一言!嶋津ゼミという場は、私にとって緊張の場でもあり、癒しの場でもあり、自信を与えてくれる場でもあり、励まされる場でもあります。とにかく、「かけがえのない場」に間違いありません!

渡辺怜

学年博士前期課程2年
研究テーマ私の研究テーマは、「外国にルーツを持つ子どもの家庭における継承語の役割」です。外国にルーツをもつ子どもの家庭では、どのような家庭内の言語方針(Family Language Policy)をもとに継承語教育を行っているのかということについて着目しています。親と子どもの家庭内でのやり取りを通して、親がどのような言語使用や言語選択を行っているのかを明らかにすることを研究目的としています。
夢を語る日本語を継承語とする国内外の子どもたちを対象に、楽しめる日本語教室を提供することです。
ゼミについて一言!嶋津ゼミでは、日本語教育学を多角的な視点から研究し、日本語教育学の面白さを追求します。ゼミ生は互いの研究に対して積極的な意見交換を行い、対話を積み重ね、全員が一丸となりそれぞれの研究を作り上げていきます!

郭絢麗

学年博士前期課程2年
研究テーマ日本語学習者の言語使用意識について-「断り表現」に焦点を当てて』
従来の日本語教育では、「母語話者」の言語使用を基準として「非母語話者」の言語使用を判断してきましたが、グローバル時代において、「母語話者」は誰かを問う時代になっており、学習者の視点から見た言語使用意識を理解することが非常に重要だと考えられます。本研究では、日本語学習者にとって最も難しいとされている言語行為である「断り」に焦点を当て、彼らが日本での日常生活において「断り」表現に対してどのような使用意識を持ち、どのように使用しているかを明らかにしたいと考えています。
夢を語るよく食べ、よく笑って、よく働く!
ゼミについて一言!嶋津ゼミの仲間たちは私にとって、困難や挫折に直面した時にも自分の心を支えてくれる家族のような存在です。研究の壁にぶつかった時やモチベーションが低かった時には、ゼミの仲間たちの励ましやアドバイスによって再び進む力を得ることができます。

杜瑞凌

学年博士前期課程1年
研究テーマ私の研究テーマは、大学におけるCOIL型教育の推進―日本、アメリカ、台湾を中心にです。大学のオンライン国際協働学習とグローバル人材の育成について研究しています。この研究に通じて、オンライン国際協働学習の効果とグローバル人材の育成はどのようにつながっているのかを明らかにして、よりよい国際教育を提供する策を考案します。この研究は、今後のグローバル人材育成と国際教育の発展に一助になると考えられています。
夢を語る将来の夢は台湾で大学の日本語教師になることです!そのために研究科に進学し、嶋津先生のもとで勉強しています。夢を叶えるよう、頑張ります!
ゼミについて一言!研究には真剣で向き合い、頼もしい先輩たちがいて、愛が満ちている嶋津ゼミに入って本当に良かったです!これからもゼミの一員として、よい研究ができるように日々精進します!

研究生

学部生

髙岡さつき

学年4回生
研究テーマ卒業論文では、台湾の友人と私のLINEでのチャットを分析します。私は大学2回生の時に台湾に留学する予定でしたが、コロナウイルスのため渡航ができませんでした。日本からオンラインで現地の授業を受けるという私にとって苦しい日々の中で、私は実際に会ったことのない友人との関係に励まされていました。研究では、なぜ私たちがオンライン上の交流でも良い関係を築くことができたのか、LINEの会話からヒントを得たいと考えています。
夢を語る私の夢は、たくさんの言語を勉強して世界中のたくさんの場所に行くことです!そして自分と異なる背景を持つ人々と出会い、会話したいです。
ゼミについて一言!4回生の授業では穏やかな雰囲気の中、きめ細やかな指導をしていただいています。嶋津ゼミの皆さんは多くのことに真剣に向き合われている方が多い印象です。これからもっとお話ししたいです!よろしくお願いします。

劉俊杰

学年4回生
研究テーマ文化・社会・地域・国境において越境が頻繁に起こっている今日、移動することにともなうアイデンティティの変容に目を向けて、自らのライフストーリーを語りながら「自己」と「他者」の間で、どのようにアイデンティティが構築されているのかを分析する。つまり、オートエスノグラフィーという研究方法で個々の社会・文化に属している私たちのアイデンティティの(再)構築の仕組みを模索する。
夢を語る人生における多種多様な既成観念にとらわれず、いつになっても自由な心で生きていきたい。「There’s a heart that must be free to fly, that burns with a need to know the reason why.」
ゼミについて一言!ここでは、日常生活にある様々な談話から、人生における個々の「ストーリー」まで、ことばと心に関して幅広く研究することができます。ストーリーテリングを通して、心にある未知の「自分」への扉を開けてみましょう。

交換留学生

呉東鵬

学年大学院交換留学生(厦門大学)
研究テーマ船山仲他(2007)は、同時通訳者のメンタルプロセスを分析するための概念的複合体モデルを初めて提唱した。概念的複合体モデルとは、通訳の過程において、ある概念の構築、発展、修正などの過程をオンラインで追跡するモデルである。本研究は、そのモデルを日中同時通訳に導入し、適用性を検証することを試みる。また、そのモデルに基づき、プロの通訳者とMTI学生(通訳翻訳課程)が構築していた概念を比較し、特徴をまとめ、メンタル面の指導法を検証してみる。
夢を語る最先端技術分野で世界一流の通訳者になりたい。世界有名な高山を踏破したい。
ゼミについて一言!ここは楽しくて有意義な時間を過ごせる場所です。デザートを食べながらゼミを進んでいくという気楽な雰囲気がありながら、先生と他の学生からの鋭い質問で自分を成長させます。ぜひ嶋津ゼミを楽しんでください!