ドイツ-オランダ渡航中のつぶやき

 移動を含め、つごう11日間のドイツ渡航が終盤に差し掛かっています。自身の研究・資料収集などを兼ねてはいるものの、神戸女子の学生5名を含めた最大15名の大所帯では、どうしても引率という役割が重要な位置を占めるようになります。いかにドイツとはいえ、日本に比べて危険な場所が多いので、自ずと集団行動が重要なものになります。

 昨今では大学といえども、自己決定-自己責任を学生に求めるわけにはいきません。どういうことかというと、彼/彼女らの自由を制限し、引率者の管理下に置くということです。当然、安全を確保した上でのみ個人の自由が認められるということなのですが、この自由/安全の線引きをする際、私はいつも困難を覚えます。

 もし個人が自分の利益のみを求めれば、当然ながら集団は機能しません。しかし、集団の目的が個人の目的と合致すれば、個人は集団のため、ひいては自分のために能力を発揮することができます。私は最近、口癖のように、「能力とは集団への貢献である」とぼやいているのですが、この旅でやはりこの考えは正しいのだろうと思っています。

 つい先ほどの話なのですが、ドイツの特急列車に乗る際、ドイツ語が堪能な学生が、外国語が苦手な学生のために率先して席を探してあげていました。自分の能力を使って、世のため人のために何ができるか。今日私は、他人に何をしてあげられたのか。このような個人の意識が集団を質的に成長させるでしょうし、集団の成員である個人を成長させるのでしょう。