報告者
東アジア文化研究科 1年次 王天恵
渡航先
中国 上海(復旦大学)
研究活動期間
2023年12月24日 ~  2023年12月30日

目的・概要


 復旦大学で学会に参加して、丁福保の書籍を調査した。

 上海の中国近現代新聞出版博物館で近代出版史資料を調査した。

現地の様子や渡航を通じて感じたこと


 復旦大学図書館は丁福保に関する大量の貴重な古書を所蔵しているが、十分な研究はなされていない。今回の調査は時間が限られており、初歩的な調査しか行っていない。しかし復旦図書館で、それまで誰も気づかなかった資料を調べることができ、非常に収穫があった。今後さらに調査を進める予定である。一方、時間が限られていたので復旦大学の所蔵書誌のみを調査したが、上海交通大学や上海市図書館にも考察すべき貴重な文献が大量にあることを知った。これらの資料は今後の調査計画にしたい。

 上海の中国近現代新聞出版物博物館は、2023年6月に新たにオープンした公教育施設。一般の参観者が中国の印刷・出版の歴史を体系的に理解するうえで大いに役立つ。研究者にとって有用と思われる資料は外部に公開されていないものがあり、新規オープンのためか、整理の追い付いていない資料もあったため、当初の調査目的を十分に達成することはできなかった。

今後、海外で研究活動をする関大生へ一言


 文系、特に出版史、翻訳史の研究者にとって、資料調査は長期的な仕事です。自分が短時間で、すぐに全部の資料を見つけられると思ってはいけません。ですから、調査活動が自分の思うように進まなかったとしても、めげずに次の計画を終わらせるためには、早く気持ちを切り替えなければなりません。 また、調査の前に十分な計画を立て、自分の行動に十分な時間を確保しなければなりません。