報告者
社会安全研究科 2年次 野元颯馬
渡航先
タイ王国(Chiang Mai 大学)
研究活動期間
2023年8月24日 ~  2023年9月4日

目的・概要


・タイで実施された災害時のパニック行動を研究するための心理実験(JSPS科研費JP18K03022による)に、地震および火災を体験可能なVR/ARコンテンツを使用し、実験時に期待通り動作するか、実験を進行するうえで改善すべき部分がないか確認した。

・また、今後のさらなる改良に向けた試行として、現場の状況に合わせ、その場で実験補助者向けの機能も追加実装した。

現地の様子や渡航を通じて感じたこと


・宿泊先 Eastin Tan Hotel Chiang Mai は道路の向かい側にショッピングモールがあり、安全・安価に食事を確保できて便利。なお現地の食事は辛味・薬味・甘味が強い。苦手なら外国人向け施設での食事を推奨。道路の排ガスも気になるかもしれないが、同行したタイからの留学生曰く首都バンコクほどではない。また(日本と同様に)冷房がよく効くので夏でも長袖はあったほうが良い。

・Meta Quest 2を使用して実験したが、自己位置推定に失敗するケースが多発した。参加者の入室直後に空間が変わったと誤認するケースもあった。半自動で位置合わせする案もあったが、毎回手動で行う方法を採用して正解だった。

・今回、非技術系かつ非日本語ネイティブな学生と一緒に自分のシステムを運用した。反省点は多いが意外にどうにかなった。この経験を活かし、体験できる場を拡げる計画を進めようとしている。

今後、海外で研究活動をする関大生へ一言


・念のためポケトークを持って行ったが、実験中に指示を出す際など余裕がなく全く使わなかった。また、出歩く際もネット環境や電源も保証されない。技術が発達しても、やはり自分自身を鍛えておくことは有用だと伝えておく。

・破損や紛失、没収を想定し、機材・データなどをバックアップすること。例えばタイからの出国時、日本の100均で買った携帯充電器が電圧の表記がないからと没収された。廃棄予定のものを持ってきたのは正解だった。研究に直接関わるものを没収されると面倒になるので、規格周りも気を付けておきたい。なお、この出来事のきっかけは飲み水がカバンに残っていたこと。海外の場合は国内便でも油断せず、手荷物検査に入る前には必ず飲み切るor捨てるべき。あと、キャリーバッグの扱いも当然荒いので注意。バッグに付けた新品の南京錠の角が丸くなった。