報告者
人間健康研究科 2年次 眺野花
渡航先
オーストラリア シドニー(Sydney Opera House、State Library of NSW、Art Gallery of NSW、Chatswood Scholl グラウンド、RoyalBotanic Garden Sydney、Sydney Museum)
研究活動期間
2023年9月19日 ~  2023年10月4日

目的・概要


 私の研究テーマは福祉×ダンスであり、博士課程では主に視覚障害児のダンスについて研究している。今回の国際研究活動の主な目的は、以下の4点である。

目的1 Sydney Opera Houseで9月27日、28日に開催された子ども向けダンスワークショップの見学、9月29日に開催された高齢者向けダンスワークショップの体験をし、それぞれの指導者から話を聞くこと。

目的2 Art Gallery of NSWで9月22日〜10月8日まで毎日開催されていた「Volume」におけるMove(ダンスパフォーマンス)を鑑賞し、様々なダンサーの表現からイメージを広げること。

目的3 現地の子どもとダンスを指導・創作し、教材開発のための足がかりにすること。

目的4 Sydney Museumや、10月1日に開催された「What Is The City but the People?」を通して、オーストラリアにおけるインクルーシブや多様性の考え方、ダンス・身体表現の歴史と意義について学ぶこと。

現地の様子や渡航を通じて感じたこと


 オーストラリアは異文化が共存する国であり、多様性の尊重やインクルーシブな社会への献身が広く浸透しています。私は渡航期間中、さまざまなイベントに毎日参加しましたが、特に多様性について強く印象に残ったのは「What Is The City but the People?」というイベントでした。これはオペラハウスの50周年記念イベントで、音楽に合わせて大きなステージをファッションショーのように歩くというものでした。アボリジニの方々、ウクライナからの移民、難民、108歳のダンサー、様々な障がいを抱える方々など、多様なバックグラウンドを持つ市民が一人ひとりステージに登場し、観客たちは大きな拍手と声援を送っていました。違うことが当たり前であり、違いを尊重する文化を肌で感じられ、非常に感銘を受けました。

 また、高齢者向けダンスワークショップの体験も印象的でした。私は堺市と関西大学との地域連携事業「みんなで踊ろう」で地域の高齢者と身体表現活動を行っていますが、その活動は「みんなで踊ろう」と非常に似ていました。活動後は、指導者であるダイアン先生と、地域における身体表現の場の必要性等について話すことができました。人間が持つ表現の欲求は世界共通であり、自分たちの活動が価値あるものであることを再確認しました。

今後、海外で研究活動をする関大生へ一言


 今回の研究活動は私にとって初めての海外経験でした。学部生卒業前からコロナ禍になり、予定していた海外旅行や研究活動は思うように進まない時期が続きましたが、今回ついに実現することができました。私は自身の語学力に自信がなく、コミュニケーションに不安を感じていましたが、現地では多くの貴重な経験を積むことができました。また、大学からの様々なサポートは非常に心強かったです。自分の語学力に自信がなくても、勇気を出して挑戦すれば、きっと素晴らしい経験が得られると思います。ぜひ、チャレンジしてみてください。